内容説明
「アカシアの花のおもてなし」「ぶどうのトルテ」「わが家の年こし」……家族への愛情に溢れた料理と心づくしの家事万端で、昭和の女性たちの憧れだった著者が四季折々を描いた食のエッセイ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くろうさぎ
17
ずっと積んでましたが、ようやく読めました。家族愛に溢れ、物のない時代でも工夫を凝らし、丁寧に日々を暮らしていらっしゃった様子がとてもよく伺える本です。裕福なご家庭ではあるけれど、お手本にしたい家事への心構えがたくさんあります。四季折々の暮らしを楽しみ、誇りを持って家庭を守っていらっしゃる姿は今読んでも胸に響きます。レシピもたくさん載っていて参考になるし、家の中で立派に生きる女性の鑑であり、憧れでもあります。2018/12/14
kaoru
15
お父上が海軍少将、御主人が憲法作成に関わった官僚という恵まれた環境で、主婦として一家をしっかり支えた奥様のエッセイ集。ハイカラで美味しそうなお料理やお菓子、ピックルスや梅干しなどの保存食、ドイツで学んだこと、季節ごとのしつらえなど今読んでも少しも古くない。女性が忙しくなり、こうした貴重な生活の知恵が失われてゆくのはとても残念。私の子供時代にはまだこうした女性が周囲にちらほらいたものだが……空襲で家が消失した際に残った手押しポンプが焼け野原で役に立った話などもあり、終戦記念日に読むのにもふさわしい本だった。2018/08/15
ミス レイン
14
日本人の原風景の中にいるお母さん像だと思う。戦前から戦後にかけての主婦の仕事を綴っているのだが、自分で工夫してこなすしかないと言う仕事の多さに脱帽した。その上で、色々と便利な物が増えてくると味気ない気がすると記されている。こんなに工夫と手間を凝らして整えられた環境(家庭)内で自分の為に色々な手順を踏んで作られた食事で育まれることのなんと豊かなことか。現代は躾は子供に施すものだけど、大人になっても母親やお姑さんに躾けられていくという当時の女性の在り方も、息苦しさはありそうだけどなんだか羨ましい。 2014/10/08
食物繊維
12
言葉遣いは柔らかいのですが、きりりと引き締まっている生活が伝わってきます。実母からも姑さんからも厳しくも温かく教えを受け、それを内面で育てた素敵な主婦さんの生活記録です。嫁ぎ先で味噌等は保存食でなく非常食と教えられたとの文は、災害の多い日本人の知恵が伝わっていたのだとハッとしました。2021/03/03
量甘
11
四季を通して日々の暮らしや料理の作り方などを丁寧に綴られた本。物のない時代に、色々な工夫を重ねていく暮らしぶりは、今と違った豊かさを感じました。写真や挿絵が素敵です。料理のレシピがたくさん載ってたのでいくつか作ってみたいと思います。2015/10/22
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