内容説明
現代的な金融取引の課税問題を考えるにあたり,基本原則に立ち返る──その必要性を実感した著者が,公法や私法の分類,歴史学,経済学等,すべての枠を取り払う。金銭の本質について法的に検討し,国の財政・金融に関する活動とそれをめぐる政策の基礎に横たわる法的構造を解明する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ただの人間
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財政を議会の財政権に基づく国家活動の金融的側面と、国家の財産権に基づく国家の経済活動という2つの側面に分け、公法、私法を区別しつつも公法と私法の制定法、特別法-普通法、一般法という関係を重視した論述が行われる。公法の独立過程、租税法律主義と法律による行政の原理の差異などの歴史的な経緯や、私法-経済理論を考慮した検討は、財政に関して広範な要素が考慮されなければならないことを論証しつつ実践しているようにも感じた。金子宏の租税の定義の引用で「反対」でなく「判定」給付になる誤植が2か所見られた(170、343頁)2020/02/29
フクロウ
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国家の財政・金融・租税活動その統制法たる財政法を手続法から実体法化することを狙い、そのためには憲法83条、財政法という公法ではなく民法をはじめとする私法をベースに考える必要があるとする。そして、私法を経由して経済学に至る。基本的視座の提示どまりであり国家の行う財政・金融・租税活動の歴史的遡行にしても絶対主義確立前の中世どまりであり、古代までは遡行しない結果、私法モデルの中身を無批判に所有権・契約で理解するため、次の一手を踏み誤った感が拭えない。小早川光郎の言うように事務管理としての構成も考えられる。2020/02/09
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