内容説明
入念な計画が成功の鍵だと私たちは直感的に考えるが、それは間違っている。ロシア革命、世界大恐慌、ナチス政権、第二次世界大戦、2008年の金融危機――比較的少数の人による、トップダウンの意思決定の結果なされたことはことごとく失敗した。一方、世界の所得増加、感染症消滅、食料供給、河川と大気の浄化、富裕な国々の大半における再植林、インターネットといった、大きな変化を起こす意図のない無数の人によってもたらされた「ボトムアップ」な、偶然で予想外の現象はあまりに多い。それらの広範な現象に共通する原理が「進化」だ。生物界に限らず、宇宙のなりたちから人間の生み出した文化・経済・制度・イノベーションにいたるまで、あらゆる物事の原動力である進化原理の強力さを説き語る、名著『繁栄』と対を成すリドレー待望の最新作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
カザリ
36
楽観していこうよ、という最大趣旨がすごくいいなあ、と気楽に考えるものの、それを裏付ける詳細の各節は理解及ばず。それでも、いっかなあ、というマッド・リドレー。。2016/12/23
おじいやん featuring おじいちゃん( ̄+ー ̄)
24
うち収納スペースないからスカイフック欲しいだれか作って♡2018/05/19
奏市
8
文化、システム、科学などあらゆる分野の物事について、それらが偉人や権力者の設計・発明によってではなく、様々な立場の人間の試行錯誤により成り立っていることを論証した内容。山口周さんの本に記載の推薦本より。大変面白かった。例えば結果主義的刑罰論のような部分あり科学至上主義みたいにとれるので全部の主張を受入れるわけではないが、刺激になり勉強になった。「技術は進化する実体で、担っている人間が誰なのかにかかわらず進歩を続ける」とは納得感あるとともに、人工的に遺伝子操作された人間の出現も増えてくるかと恐ろしくもなる。2025/09/20
うえ
7
「サトシ・ナカモトというのは本名ではない。ビットコインの創設者、もしくは創設者たちは、匿名にとどまることを望んだ。理由はきわめて明らかだ。これまでに私的な貨幣を発明した者たちは、警戒の目を怠らない国家とのあいだにしばしば厄介な問題を起こしてきた…サトシ・ナカモトとは誰なのか?…本物のサトシは、日本人の名前とドイツのウェブアドレスを用い、多くのイギリス風言い回しや英文の文献を引き、書き込みのタイミングから見て、アメリカ時間で暮らしている。彼がまったく関係していないと思われる唯一のハイテク地域が北米の西海岸」2019/12/10
西嶋
7
世界観さらには人生観すら変えうる名著。進化メカニズムの話は置いておいても、リーマンショックの真の原因や、生物種と言語の多様性の類似など、目から鱗の情報が満載。2018/07/18
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