内容説明
「妻が新型インフルエンザ恐怖症になってしまって困っています」「貸したお金を返してもらえず困っています」「キャバクラのコとつきあいたいんです」「ネットでデマを流され、迷惑しています」「妻が子供を産んでから、すっかり太ってしまいました」「カレシがいるのに他にも気になる男の人ができてしまいました」「子供が何を考えているのかさっぱり判りません」――モーさんは小さなショットバーのバーテンダーで、客からの相談に乗ることも多い。しかし悩みを解決するためのアドバイスが次々とおかしな波紋を巻き起こし、ついにはまさかまさかの秘密が露わになって……。ちょっぴり苦い読後感が癖になる連作ユーモアミステリー。『人生相談始めました』を改題。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nemuro
10
蒼井上鷹の本は何冊か既読ですが、「今夜はちょっぴり苦味の強いミステリーはいかが?」な本書も、なかなかよかったです。で、キャラクターとしては、第6話の「ネットでデマを流され、迷惑しています」から新入りバーテンダーとして登場の宇佐美野乃みたいな娘(コ)って嫌いじゃありません。2014/02/13
やまだん
9
「モーさんの隠れ家」というショットバーのマスターが,客から持ち込まれる相談に答えたり,自分が事件に巻き込まれたりする。個々の作品はミステリとして完結しているが,全体を通じた趣向がある。いずれも,蒼井上鷹らしい,底意地の悪オチが用意されている。蒼井上鷹は,とても好きな作家の1人。この作品もアルバイトの宇佐美野々や,向山という女性刑事など,女性の描き方がなんともいえない。底意地の悪さの中に,コミカルな部分もあるので,三谷幸喜に脚本を書いてもらって映像化したら面白そう。好みの作風なので評価は甘め(65点)。2017/04/08
たらこりっぷ
9
人生相談というもの、ラジオ番組でもそうですが冷静に聞いていると、そんな悩みをわざわざ相談するかなぁというケースが結構あります。それを真夜中のバーでしたらどうなるのか。解決するのかしないのか、読んでのお楽しみということで。飲んだ帰りが恐ろしくなるような階段のあるバーってちょっと興味があります。一人で入るのはなかなか勇気がいるのですが。2014/10/20
マッちゃま
8
何ともはや氏らしい、ヒネくれたオチが待つ、あるバーに持ち込もれる相談が巻き起こす悲喜劇。スパッと解決…というより、迷走する様を楽しむ短編集でした。2014/09/22
一反もめん
3
本屋とか、珈琲屋とか、ズバッとキレキレの推理で一件落着!(笑)的ないつものパターンかと思いきや、まさかの展開。たまにはこういうダークな話があっても良いですね。とはいえ、なんとまあ、ついてない人たち(笑)2016/04/11