内容説明
これが現職最後の担当事件か──松谷警部が駆けつけた現場は両国国技館から歩いて行ける距離にあった。被害者は五稜郭光夫、渡島部屋の十両力士だという。胸部を刺されており、傍らに「コノ者、相撲道ニ悖ル」と印刷された紙片が。やがて先輩格の鴎島、葛灘が相次いで殺害され、同じメッセージが残っていた。狭い社会だけに関係者は限られるが、三件全部にアリバイがない者はおらず、動機やメッセージの真意も定かではない。苦心惨憺の末、白石巡査部長が真相に至ったのは、実に警部の退職二日前だった!/解説=神命明
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
papako
64
まったりシリーズ最終巻。相変わらず、面白いのか面白くないのか不思議な文章。やっぱりちょっと古いんです。昭和な香りがします。今回は松谷警部定年までの最後の事件。お相撲さんが次々に殺された。『相撲道に悖る』と遺体に遺されたメモ。果たして犯人は?白石巡査部長の推理が導いた真相は悲しいものでした。相撲道に悖るも何も人間として問題でしょう。そして巻き添えになった鷗島とカタミがかわいそうすぎる。ラストにニッキも登場して、大団円。しかし、新しいの電子書籍にするより、絶版のニッキのシリーズを電子書籍化して欲しい。2016/11/27
ミー太郎丸
31
平石貴樹さんの松谷警部シリーズの第4作。 今回の事件も過去の作品と同じスポーツ界が舞台の連続殺人事件です。アリバイ崩しのフーダニットで典型的な本格ミステリーです。 定年した松谷警部の続編が読めなくなると思うと寂しい想いも。次回は白石以愛シリーズでしょうか?2017/09/18
マッちゃま
20
北米人気スポーツシリーズのハズが…相撲も北米で人気なんやろか?「コノ者、相撲道二悖ル」と印刷された紙を残し次々と力士たちが他殺死体で発見される。狭い世界ゆえに犯人逮捕も早いかと思いきや苦戦するイアイ巡査部長。シリーズ最終話らしく様々な仕掛けも明かされます。また日を空けて、まだ未読の「笑ジグ殺パズ」も読まねばならんと鼻息荒くなりました。ああ〜コレで完結なんやなぁ〜と思うと、短編集でも良いからマッタリ班の活躍をまだまだ読みたい。氏の新シリーズ(出るんやろか?)にも期待です。2016/10/06
RASCAL
13
シリーズもの最終巻なのに、これから読んでしまった。最後まで全然犯人が分からなかった。実によくできたトリック、よくできた謎解きでした。2016/12/24
enmys07
11
松谷警部シリーズの完結編。 ラストの怒涛の解決編は相変わらずロジカル。 でも、平石さんのまとめの作品ポイ雰囲気があり、 次の作品の出版があるのか心配してしまう。2016/10/09