内容説明
カジノやサッカー籤(くじ)で必ず勝てる偶然の数学法則とは?
運を味方につける科学的な方法とは?
物理学や数学から神経科学や法学まで、
「偶然」が決定的な役柄を果たしている事柄を、
英米の第一線の科学者がやさしく解き明かす現代科学最前線。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
52
誤解を恐れず言えば、「偶然」と「運」があるのも人生。様々な科学の観点で検証することで、「偶然」と「運」の見方と広げ楽しむ。地球も含めたライフ・サイクルは、不確実性に溢れている。人類の技術が生み出す確実性と、偶然のもたらす人類の行動の定型性。この矛盾、ジレンマが人生の深み、面白味となっているのではなかろうかという読後感。各界の科学者による検証の多角的な視点が本著の醍醐味。但し、流石にギャンブルは勝ち続けられないでしょう。(笑)でもどこか夢がありますよね。2017/03/17
小木ハム
17
確か日立製作所の元研究所長が書かれた『データの見えざる手』という本で、運の良さは行動量の多さだと書かれていたと思う。行動量が多いほど人や物事と出会う確率は高くなり、その時に「チャンスをつかむ準備ができている」ことを人は”運が良い”と言うのだろう。昨今私たちを取り巻く効率化最適化されたシステムには無駄がない。タイパコスパが良く安全だ。だがそこには冒険が無い。セレンディピティが無い。安全はときに危険だということも私たちは知っておくべきだ。新たな餌を発見するのは群れのルートから外れてデタラメに彷徨う蟻なのだから2023/09/05
りょうみや
9
New Scientistという雑誌のエッセイの編集版。確率、統計、ランダム、偶然、運などのキーワードを軸にして宇宙、生命、脳、進化、量子論、数学、テクノロジーなどの幅広い分野から27篇選ばれている。なかなか面白い編集をしたと思える。内容はその分野の予備知識がないと難しいかもしれない。2016/11/03
hiyu
8
表題からして、感情部分に焦点を当たっているのかな。そうしたら最終的には認知の問題となるのかもしれないが、「偶然」は受け入れられたとしても、「運」という表現はどうかな。自分の中ではしっくりいかない。多分に内容があまりピンとこなかった自身へのいら立ちだな。2017/09/22
人生ゴルディアス
5
運についての科学を期待したのだけれど、あまりページは割かれていなかった。ほぼ既知。これからの分野かも。基本的には同じものを見ていても、幸運だと自認する人は不運だと自認する人より情報を引き出したりしやすく、また、行動的であることが示されている。初詣の願掛けで最悪なのは「今年も悪いことが起こりませんように」とはよくいうこと。あとは基本的にランダム性を扱っている。特に生命周り。ベンフォードの法則が正面から取り扱われていたのは異色か。対数分布表に似ている、という以上の情報は初見。分布の分布ゆえに普遍性を持つのか。2018/05/08