お菓子放浪記

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お菓子放浪記

  • 著者名:西村滋【著】
  • 価格 ¥764(本体¥695)
  • 講談社(2016/09発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062751414

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内容説明

天涯孤独のシゲル少年の心を支えたのは、甘いお菓子への憧憬だった――戦争の敗色濃くなりゆく時代を背景に、過酷な運命を生きる少年の姿を描いた永遠のロングセラー。著者自身が体験した辛苦、絶望の中でも失わなかったささやかな希望を、人間愛の讃歌へと昇華させた感涙の物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

87
悲しくて重い話でした。孤児のシゲル少年が戦争を生き抜くことは絶望の中で生きることに違いありませんでした。甘いお菓子への憧れだけが心の支えだというのが切なかったです。でも、どのような状況の中でもささやかな希望を失わなかったことが強さだったのかもしれません。物であふれた今の時代からは想像がつかない時代ですが、今より豊かな心があったように感じます。2016/11/03

うりぼう

55
3月10日にこの本を原作とした映画「エクレール・お菓子放浪記」の完成試写会が開催。石巻をロケ地としたこの映画に多くの住民エキストラも参加。翌日、美しきロケ地も住民の命も奪われる。運命の映画。戦前、戦中、戦後を生きる少年は、その過酷な状況に素朴な明るさを失いがちとなる。人は弱きもの。サタンもフサノも焼夷弾も押し寄せる津波のよう。その度に遠山が富永が座長が高台となる。出会いが人を救う。その根底にシゲルの素直な心。あこがれのお菓子があることは、希望の灯があること。現代の希望の灯は何?映画より原作を先にオススメ。2011/06/24

45
たまたま図書館で目について借りました。偶然の出会いだったけど、すごくよかった!お菓子放浪記といっても、お菓子食べ歩きの話でもお菓子やさんの話でもありません。お菓子に強い憧れを抱く少年シゲルのお話。続編あるようなので、続けて読みたいと思います。2017/05/07

ゆみねこ

33
幼くして両親と死別し、あちこちの施設を転々とし、お菓子を万引きしたことで感化院に入れられてと過酷な少年時代を送った作者の自伝的小説。若いころ、連続ドラマで見た記憶があり、懐かしく読了。物のあふれる今の時代、空腹は満たされても心の満たされない現状と比較はできないが、戦争は悲惨なものであるとあらためて思った。2013/03/13

吾亦紅

24
幼くして両親と死別し、戦中戦後をひとりで生きていくことになったシゲル少年。過酷で波瀾万丈な日々を生き、何度も折れてしまいそうなシゲルを支えるのは、恩人への強い信頼と、大好きなお菓子への憧憬。世の中のホンモノとニセモノを少年は目を凝らして見つめ続ける。今目の前にある「お菓子」と平安を本当に慈しんで味わいたくなる。ある小説の参考文献として紹介されており手に取った本書。読んで良かった。2022/10/04

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