文春新書<br> 徹底調査 子供の貧困が日本を滅ぼす 社会的損失40兆円の衝撃

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文春新書
徹底調査 子供の貧困が日本を滅ぼす 社会的損失40兆円の衝撃

  • ISBN:9784166610921

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内容説明

子どもの6人に1人が貧困という日本社会。放置すれば43兆円が失われ、政府負担も16兆円増!

 日本では衣食住に困るような絶対的貧困は少ない。しかしギリギリの生活で教育へお金をかけられない家庭の子どもは将来の選択肢がせばまり、大人になってから得られる所得が減るだろう。となると回りまわって国の税収は減少。彼らが職を失うことになれば、生活保護や失業保険といった形で支出は増大する。子どもの貧困は「かわいそう」などという感情的な問題だけではなく、私たち一人ひとりの生活を直撃する重大な社会問題なのだ。
 本書では、データ分析、国内外での取り組み事例紹介に加え、生活保護世帯、児童擁護施設、ひとり親家庭の当事者たちへインタビューを収録。

【おもな目次】
<第1章 子どもの貧困大国・日本>
貧困は「連鎖」する/子どもの貧困問題は「ジブンゴト」
<第2章 子どもの貧困がもたらす社会的損失>
子どもの貧困は何をもたらすのか?/社会的損失を防ぐために何が必要か?/子どもの貧困が閉ざす日本の未来
<第3章 当事者が語る「貧困の現場」>
ケース1(女性・二十代・自立援助ホーム出身)/ケース2(男性・十代・ひとり親家庭)など
<第4章 貧困から抜け出すために>
貧困の連鎖の正体とは/「社会的相続」への注目/ライフサイクル論
<第5章 貧困対策で子どもはどう変わるのか>
子どもの貧困対策に効果はあるのか?/幼児教育は生涯にわたって大きなインパクトをもたらす
<第6章 子どもの貧困問題解決に向けて>
「子どもの貧困対策プロジェクト」始動/家でも学校でもない第三の居場所を目指して

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

69
子供が貧困状態の家庭は、学歴や学習意欲が低くなり、低賃金の職につくしかない人々を生みやすく、結果的に貧困の連鎖が生じる。それが社会保障費などの社会的財源の損失になってしまう。「他人事」ではなく「自分事」として考えなければいけない。貧困家庭の子供に対するサポートについての提言も充実している。2016/10/11

mizuki

44
子どもの貧困を他人事に終わらせないために筆者が考えた「ジブンゴト」。この本では貧困問題の当事者や経験者のインタビュー内容を掲載されていること、貧困問題の解決に向けた取り組みを紹介されていることが特徴的だと思いました。今は経済が不安定ですから、旦那の仕事が急になくなってしまうこともあるかもしれない。旦那が事故や病気で亡くなってしまい、母子家庭になるかもしれない。そんなことを想像しながら読みました。日本は子育ての環境が整っていない国ですから、この問題に向かい合ってくれる人がひとりでも増えることを期待します。2017/07/26

ヒデミン@もも

38
市図書館。社会福祉論のレポート作成のため。この本が一番わかりやすい。いろんな分析や行政・自治体の取り組みなど。購入することに。2017/07/30

ゆう。

33
子どもの貧困が深刻さを増す中で、貧困を「ジブンゴト」として捉え、社会的に解決していく必要性が述べられた本です。そのためにも、経済学的視点から子どもの貧困問題を捉え、分析し、解決の方向性を示しています。読んでいくと、日本の経済的に貧困問題が大きな社会的損失を伴うことがわかります。ただ、僕としては、やはり「社会的損失」などのコストで貧困問題を捉えるのではなく、経済的分析を通してもう一度、人権・権利として子どもの貧困問題を捉え直し、そのなかで「ジブンゴト」として考えていく必要性があるのではないかと思いました。2016/11/28

HMax

21
GDP比11%55兆円が老人福祉に使われているのに、子供向けには僅か1%6兆円しか使われていない。6人に1人も貧しい子供がいる。「何か私も役に立つことができないでしょうか」と思わせられる素晴らしい内容です。是非、多くの人に読んでもらいたい。それにしても、使ったお金の効果を検証せずに無駄に使っている問題も非常に大きい。「世界は一家、人類は皆兄弟」2016/11/25

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