内容説明
未知の荒野を目指して歩く男を描いた五木寛之の代表作。
ジャズ・ミュージシャンをめざす二十歳のジュンは、新宿のジャズ・スポットで
「お前さんには、何か欠けたものがあるんだよ」「あんたは苦労がたりない」と
言われ、外国へ飛び出した。
横浜港からシベリアへ渡り、そこからモスクワ、ヘルシンキ、ストックホルム、
コペンハーゲン、パリ、マドリッド、リスボン・・・。ジャズとセックス、ドラッグ、
酒、そして暴力にいろどられた放浪の旅は続く。
世界とは? 人間とは? 青春とは? そして音楽とは?
走り続ける60年代の若者たちを描き、圧倒的な共感をよんだ名作。
解説は植草甚一
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たか
52
【再読】沢木耕太郎の『深夜特急』ほど有名ではないけど、かつての若者の旅のバイブル的な存在。 若さに任せて日本を飛び立った二十歳の青年ジュンが、旧ソ連からヨーロッパを放浪する中で、ジャズと性と酒とに酔いしれながら自分探しの旅に出る。少し危うげなジュンの熱い行動が『深夜特急』と少し違うところ。それゆえ『深夜特急』のように現実感はなく、フィクションに近い印象を与える。 それでも、カバンにこの本を詰め込んで、自分探しの旅に出たくなる。そんな気分にさせてくれる素敵な本だ。 A-評価2020/10/23
Shoji
45
現代風に言うならば、二十歳の青年の「自分探しの旅」物語です。若さに任せて日本を飛び立った二十歳の青年が、旧ソ連からヨーロッパを放浪する中で、ジャズとセックスと酒に酔いしれながら自分探しをして行きます。一見、いけ好かないナンパ野郎のように見えますが、今考えれば硬派でハードボイルドな男だ。若さと情熱だけで生きるなんてとても羨ましい。私も二十歳の頃に戻ってみたくなりました。2019/10/22
しーふぉ
19
旅に出て、こんな出会いがあるのなら楽しいだろうな。2023/05/07
みなみ
18
「青春の門」以来の五木寛之。「自分探しの旅」で大人になっていく主人公。結構面白く読めました。大人になって、また何かを求めて旅に出る、いいじゃない!^ ^って感じで読み終えました。2020/02/24
GORIRA800
11
簡単にいうとジャズと旅を通しての自分探しの旅 旅を通して本当の自分を探すってのはいくつになっても憧れる 旅する理由があって旅をすればちゃんと見つかるものもあるのだろうな ほとんどの人間は大きな旅する理由なんて見つけられないだろうから 旅が成長にそのまま直結するとしたら素敵だなあ2021/09/17