内容説明
米国を抜いて「世界第一位の超大国」になるシナリオを描いている中国に対し、日米両国はどう対応しようとしているのか。
日米の戦略の中核は、TPP環太平洋パートナーシップ協定である。
太平洋を取り巻く、日米を中心とした12カ国がTPPに大筋合意した。
日米安全保障条約が日米軍事同盟ならば、TPPは日米経済同盟とも言えるものである。
中国に経済覇権を握らせてはいけない、経済覇権は日米が支える。
そんな熱意で交渉は進んだ。
未来のアジア太平洋の覇権は、TPPの行方が鍵を握っている。
アジア太平洋、そして世界の覇権の将来を左右するTPP交渉を6年間にわたって取材し続けてきた朝日新聞記者が、その交渉経過と舞台裏をあますところなく描いたドキュメント。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kiki
3
この本を読んでいる間にトランプ新大統領が就任してしまった。こんなに苦労して各国が交渉してきたことが無になってしまうと思うとなんともいたたまれない。•••TPP交渉は民主党の菅政権が積極的に始めた。その後、民主党政権が崩壊し、自民党政権が復活。アメリカはアジアを中心とした太平洋岸の国力の伸びに目を付け、日本に主導権を握られる前にTPP草案をまとめていたが、当時の甘利大臣が苦労の末に交渉集結まで持ち込んだ。しかし、アメリカではトランプ新大統領就任。とうとうTPP発行は暗礁へと乗り上げる。2017/01/21
ゆきまさくん
0
アメリカ大統領がオバマからトランプに変わったことにより、アメリカはTPP交渉には応じないことになった。 これは合意に至るまでの交渉の経緯を新聞記者による綿密な取材と丁寧な記述により著したもの。各国の思惑や状況がわかる。残った国との間のTPP交渉はどうなるかはわからないが、EPAやFTAなど他の二国間交渉を読み解くうえで参考になる。2017/03/21
joymanChaneD
0
TPPが12ヶ国間で大筋合意するまでの交渉過程を記述した一冊。大きな外交交渉を行ううえで、いかに内政の安定が大切かを感じた。なお、トランプ大統領就任から、アメリカ合衆国のTPP離脱、TPP11へという流れは(著書の発行年の関係上)描かれていないので注意。2022/09/16
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