内容説明
武蔵国の豪農の長男に生まれ、幼少期から類い稀な商才を発揮する栄一。幕末動乱期に尊王攘夷に目覚めた彼は、倒幕運動に関わるも一橋慶喜に見出され幕臣となり、維新後は大蔵官僚として度量衡や国立銀行条例の制定など、日本経済の礎となる数多の政策に携わった。“近代日本資本主義の父”と呼ばれる傑物の、激動の人生を活写する史伝大作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mapion
223
ときは幕末。攘夷志士として世に出ようとするが、自分も仲間も農家の出なのでなかなかうまくいかない。機会を得て一橋慶喜の家臣となる。なんとも柔軟。パリ万博の一行に役を得てヨーロッパへ。日本との豊かさの違いに、洋夷とか言ってる場合じゃないと知る。帰国してから一橋家の家臣として藩の財政を強固にすべく奔走する。他の家臣団は感覚が武士なので少し役立たず、栄一の活躍が目立つ。中央政府の財務官僚となってからはもっと忙しい。税制、産業、金融、貨幣制度などなど激烈に変わる時期、多くの政策に関わることに。民間人渋沢栄一は下巻で2025/06/26
まつうら
38
渋沢栄一のことに興味を持ち、城山三郎の「雄気堂々」を読んだのはもうかなり前のこと。その渋沢が、新一万円札となることに導かれ、本作を手に取った。前半は一橋家の家臣となってフランスへ洋行し、帰国後に大蔵省へ入るところ。このころの若き渋沢に感じるのは、どこまでもまっすぐで血気盛んな青年のイメージ。後年の穏やかで微笑みを絶やさない知識人の印象とはだいぶ違う。「雄気堂々」の渋沢は、一橋家に仕えるようになるころから、やんちゃをひそめて大人に成長していっていたが、本作の渋沢はずっとやんちゃなのが、なんとも興味深い。2024/05/16
koji
22
大河ドラマ「青天を衝け」。毎週楽しみに観ています。一方時折筋が分からなくなるので、定評ある「津本陽」版で補完することにしました。本書は史実に忠実でドラマとの親和性も高いので読み応えがあります。津本陽「渋沢像」は、才はあるが小賢しくなく、好奇心旺盛であるが些事に囚われず、論ずるのを好むが持論を改めるのに憚ることなく、更に愛情細やかで胆が据わっています。しかし「将に将たる底しれなさを持つ」西郷隆盛・大久保利通からすると、渋沢にやや一段の低さを感じているようです。しかし渋沢の本領発揮はこれから。いざ下巻へ2021/05/26
mitsu44
17
大河も面白い渋沢栄一をより深く細かく描いた小説。幕末から明治維新後をよく読む志士や新撰組とは違った農民上がりの視点から観れるのも面白い。徳川昭武の隋員としてフランス留学し、維新政府に入ってからの活躍は凄まじい。上巻最後の井上馨の話もかなり興味深かったので、次は井上馨を読もうかなと思った。とはいえ下巻は続く2021/11/12
Totchang
17
2024年度より一万円札の肖像画が使われる藤沢栄一。上巻だけでも波乱万丈。最後の徳川将軍を悪く書いていませんけど、彼のおかげで会津は大打撃を受けたのに、と思いながら読み進めました。2021年NHK大河ドラマ「青天を衝け」も楽しみです。2021/01/15
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