内容説明
京都へ修学旅行中の高校生・夕鷹は、博物館で古い剣を目にしたとたん、気が付くと炎に囲まれた見知らぬ土地にいた。 武士に襲われたところを助けてくれた男は、源九郎義経と名乗る。 そこは平安時代末期、源氏と平家の激しい勢力争いのさなかだった。 ほかにも2人の高校生、華月、遠矢と出会い、夕鷹たちは「平家物語」の記憶を辿りながら、元の世界に戻るために神器の剣を探す。 ラストには感動が押し寄せるタイムスリップ青春小説!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mocha
100
3人の高校生がタイムスリップした先は、800年前の源平合戦の只中。源義経の庇護の元、生きること、死ぬこと、恋愛などに悩みながら現代へ帰る道を探るというお話。なぜ彼らがあの時代に飛ばされ、どういう使命を帯びているのか。戸惑う日々の様子がていねいに描かれていて好感が持てる。平家物語の有名なシーンがありありと目に浮かぶのも楽しい。元々好きだった義経がさらに魅力的に感じられた。よくあるタイムスリップものだけど、戦国時代じゃないのが新鮮。2017/02/10
えりこんぐ
67
初読み作家さん。平家物語に詳しくないので、お勉強しながらの読書_φ(・_・ 戦乱の世に突然タイムスリップしてしまった3人の高校生。生きるか死ぬかの中で成長していく3人の姿が逞しい。特に、複雑な生育環境で無気力になってしまった夕鷹が自分を大切にすること、他人を思いやれる様になったことがすごく嬉しい。義経がとても男前に描かれているので、幸せになっていてほしいな。教科書の記載が変わらなくてもそう信じたい。2019/03/08
さつき
53
源平争乱の時代にタイムスリップしてしまう3人の高校生。現代とあまりにも違う風習、常識を受け入れることは難しく、それぞれが色んな場面で壁にぶつかり葛藤していきます。その様子は、まさに青春な感じで読んでて胸が熱くなりました。三種の神器の探索など宝探しの要素もあり、楽しく読みました。最後に明かされる、3人が過去に呼ばれた経緯がいまいち納得しきれなくて、ちょっともやもやします。それにしても、この作品の義経はかっこよすぎでしょう‼︎2017/08/05
しゅてふぁん
46
以前に読んだ時よりも源平合戦について詳しくなっていたのでより楽しめた。三人の高校生の成長物語は何度読んでも元気を貰える。弓を引く華月、舞を舞う静、聡明な美弥姫…女性陣がとても印象的だった。2020/02/11
しゅてふぁん
35
文庫化の書下ろし掌編を目当てに再読。平安末期にタイムスリップした3人が、戦乱の世の常識に押しつぶされそうになりながらも、生き抜く強さを手に入れる 成長物語。義経も、義経の郎党も、静もかっこいい。あー、この話、好きだなぁ。2016/10/23