創元推理文庫<br> 技師は数字を愛しすぎた

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創元推理文庫
技師は数字を愛しすぎた

  • ISBN:9784488141073

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内容説明

パリ郊外にある原子力関連施設で、突然銃声が鳴り響いた。人々が駆けつけると、技師長のソルビエが撃ち殺され、金庫からは重さ二十キロほどの核燃料チューブが消えていた。そのチューブは、パリ市民を核爆発、放射能汚染の恐怖にさらす危険物だった。司法警察の捜査が開始されたが、なんと犯行現場は完全な密室状況にあったことが判明する。その部屋には、誰も入っていかなかったし、そこから誰も出てはこなかったのだ! 更に重なる不可能状況での事件……。フランス・ミステリ界を代表するコンビ作家による、密室テーマの傑作本格ミステリ。/解説=戸川安宣

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

27
原子力工場で技師長が殺され、パリが壊滅する程の威力を持つ核燃料が盗まれてしまった。時間差もないのに起きてしまった不可能犯罪。ミステリーとしては初歩的ミスリードとも言えますが、センチメンタルな人間関係の機微がその分、浮き上がっている感が否めません。2013/04/16

Brooklyn0320

9
復刊されたのを機に読んでみました。タイトルはとにかく秀逸・・・なんですけど、内容との関連性はあまりないですね。関連しているのはせいぜい「技師」が登場することくらい。タイトルから数字パズルなんかが絡んだ理系っぽいプロットを期待したんですが、数字とは無縁のベタな展開にがっかりしました。密室状況下での連続殺人を扱っているものの、比較的出来が良いのは最初のトリックのみで、あとは逆にトリックから犯人や動機が分かってしまいます。それに、核燃料チューブという大道具を持ち出した割には、扱いがいまいちな気がします・・・。2013/10/24

ヨッシー

8
ちょっとイマイチですかねぇ。密室物として悪くはないんです。単純なトリックですが、それを数パターン作ることで不可能味を増させています。ただ、いかんせん物語としてあまりに乗れないんですよ。核の危険的な要素が浮いている上にサスペンス性が弱く、キャラクターもいまいち。いかにもフランスミステリ的な結末ですが、これを書くために「本格」の体裁を取ってしまったこと自体がやや失敗だったかなと。フーダニット・ハウダニット物として中途半端である感が否めません。題材は悪くないのに。やはりサスペンス畑の作家、ということでしょうか。2012/05/27

y yoshi (イツモ ホンヲ ハナシマセンデシタ)

5
おフランスな感じ。2019/05/02

リエ

3
もうタイトルからして無条件にカッコいい&思わせぶりでミステリ好きの興味をそそる。 原子力関連施設から核燃料チューブが消え、密室状況下で殺人が起きるという魅力的な冒頭と比して物理的なトリックはやや大味。 登場人物も少ないので犯人の目星も立てやすいが、巧みなミスディレクションやテンポの良いストーリー展開、軽妙な文体、意味ありげな会話で読者を飽きさせない。 さすがサスペンスの名手。 締めも洒落ている。2018/12/08

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