内容説明
60年前に《創元医学新書》の第1巻目として刊行されたものの文庫版。普通の人たちに見られる軽いものから、精神病者に見られる極端なものまで、「変わり者」と言われる人たちの諸相を描きだすことで、我々すべてがそうした「変わり者」の性質を多かれ少なかれ自身の内にも持っていることに気づかせてくれる。正常と異常とは何か、狂気と非狂気との境目はどこにあるのか等、人間存在の不可思議に思い至る。解説は、九州大学大学院教授・黒木俊秀氏。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海星梨
3
「異常」で「了解」されない人たちの思考を綿密に書き出して、そう言うことってあるよね? あるいは そう言うこともあるかも? と追体験できる。2020/08/11
野鹿
3
あの草間彌生さんを診断した精神科医でもあり、良き理解者でもあったという西丸先生。草間さんと思われる描写がチラチラ出てきます。異常と天才はやっぱ紙一重って言うか重なってる。つくづく自分は凡だと思う。2016/12/15
彩色
1
性格に異常もなにもあるかいみたいな心持ちで読み始めたが、思っていた以上に異常だった。以上です。2017/10/17
reduce
1
いろいろな人がいるということがわかる。2017/05/05
トウリン
1
すっごく噛み砕いた精神科の教科書、という感じ。挙げられているのは『症状』だけだけれども。50年前が初版とは思えないほど「変わってない」んだなぁ、と。それこそ、精神疾患は身体疾患でもあるという証か。筆者は「変わり者」たちのことを述べながら丸ごと受け入れているのが伝わってきて、その懐の広さを感じた。何人か精神科医を知っているけれど、こんなふうに感じさせる人って、あんまりいないんだよな。2017/04/30