内容説明
自分の指示通りに部下が動かないと激高する上司、自分の不満を歯に衣着せずにぶつける夫あるいは妻、さらには犯罪を引き起こすような深刻なケースまで。すぐ感情的になる原因として考えられるのは、親の影響、加齢による「脱抑制」、怒りを許容するいい人の存在、さらに人格障害、「間欠爆発症」、そして怒りやルサンチマン(恨み)をかきたてる社会、などなど……。ただし、感情をぶつけられたことで生まれる怒りを抑制することはお勧めできない。無理に抑圧した感情は、必ず何らかの形で表に出てくるからだ。そこで本書では上手に怒るためのヒントも含めた上で、すぐ感情的になる人への的確な対処法を述べる。ベストセラー『他人を攻撃せずにはいられない人』の著者の精神科医が、自分自身の例も挙げて簡潔に解決する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かわうそ
81
★★★☆☆親がすぐ感情的になるつまり、短気であるならばその子供も当然、近くの大人を模倣するのだからその親の短気の面も模倣する。親が子どもに怒るのはいけないことだから怒ってはいけないよと教えるのも間違え。幼児期に感情を外に出さないとそれもすぐ感情的になる子どもを育ててしまう。無理に感情を抑制するのもまた良くないことだ。さらに言えば、勉強好きの親から有名大学に行く子どもが生まれるのは当然と言える。読書をする親から読書をする子どもも生まれる。人間はほぼ遺伝と環境に左右されると言っていい。2016/09/29
James Hayashi
33
精神科医、16年著。相模原障害者施設刺傷事件、秋葉原通り魔事件などの例を引き怒りを分析。ルサンチマン(恨み)、怒りを押さえ込まず逃がしてやる事が重要。理想はノーベル賞受賞の中村修二氏の様に、アンガーを前向きのエネルギーに変換し、生活の原動力とする事。2019/06/05
けんとまん1007
30
なるほど。身近に、何人もいますね。いろんなことがわかり、少しは、対応できるかも。あとは、それの捉え方次第ということ。2019/05/15
ともとも
22
いろいろな事例を挙げながらも、対処法、上手に起こる方法などが記載してあって、 とても解り易くもあるだけに、なるほどな!と思いつつも、身につまされたり、 疑問に感じたり、いついかなる時に自分が感情的になってしまうのか? という恐れを感じたり・・・ それだけに、人って感情の生き物なのかなぁ~とか、感情のバランスのとり方って難しい、 それでも、気をつけながらもバランスを保って生きていかなければと、 しみじみ考えさせられてしまいました。2016/10/09
こうちゃ
21
☆3 第1章 感情的にならずにいられない人 第2章 なぜ、こういう人が生まれるのか? 第3章 もしかしたら病気かもしれない 第4章 すぐ感情的になる人を生み出す環境 第5章 怒っている人に対してやるべきこと、やってはいけないこと 第6章 処方箋――うまく怒る方法 著者の経験に基ずく例えよりも、号泣会見やSMAPの解散騒動、記憶に新しいいくつかの事件の件がわかりやすかった。新聞連載が打ち切りになり”怒り”のパワーで本書は書き上げられたらしく、私怨が垣間見えてちょっと怖い。何となく[反面教師]が頭に浮かぶ。2016/10/29