内容説明
先進諸国が加盟するOECDの各種統計を読み解くと、日本は非常に「残念な国」である事実が浮かび上がってくる。労働生産性、睡眠時間、女性活躍推進、起業家精神……。さまざまな分野で日本は最低レベル。しかし見方を変えれば、少子高齢社会、労働力不足であるからこそ、他国にはない大きなチャンスが隠れていることが見えてくる。負の遺産を最強の武器に変えるため、豊富な統計をもとに、日本がとるべき戦略を考える。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kubottar
29
日本の深刻な人口減を逆にチャンスにする方向性を示しているのは面白い。人口減だからこそ女性を重用する風潮に持っていくことは果たして日本でできるのだろうかという問題もある。何しろ日本の男尊女卑レベルはルワンダと同格というデータを見たことがある。しかし、移民を入れない方向性なら嫌でも変わらなくてはならない、その時のための指標としては実に為になる本だと思う。2017/03/09
HMax
20
眠れる人材の活用とイノベーション力を活かす。これによって人口減社会を乗り越える。何事も個人の努力が第一ですが、こと人口減社会については、政府がどのような政策をとるかにかかっていると思います。社会人教育を強化、ゾンビ企業を生かすための融資をやめベンチャー企業への投資を進める、機会均等に違反した企業にペナルティーを課す等々。出来ることはいくらでもあります。ただ個人の意識がついていけるか?という点も大きな課題でしょう。女性取締役30%が遅々として進まない、AIへの拒否感、非効率な残業等。2016/12/23
ほじゅどー
20
★★★定型的な仕事はコンピュータやロボットによる自動化に任せ、高度なスキルを要する仕事に集中すること。中高年齢者、女性、ニートから眠れる人材を掘り起こすこと。とは言え、長時間労働で休暇も少ない現在の日本の労働環境をガラッと変え、労働市場を流動化させ、多様な働き方が出来るようにしないと難しい。今後の日本の深刻な労働力不足が本当に追い風になるだろうか?2016/12/07
C-biscuit
19
図書館で借りる。あとがきを読むまで、著者が女性だとは気づかなかった。そういうのもあり、女性の活躍に力が入っているようにも感じ、また説得力を感じる。人口ボーナスは終わり、人口ペナルティーが始まっているという言葉も新鮮であった。世界に先駆けて少子高齢化が進んでおり、世界の先例にならなければならない一方で、世界の先例である欧米の女性活用を見習わなければならないというのは同感である。保育費がかかるが、その時期を頑張って正社員のまま続けると生涯年収に2億円近い差が出るようなので、部下も応援してあげたいとも思う。2016/10/14
速読おやじ
18
タイトルの「武器としての・・・」はまたか。。という気がしないではないですが、本書はしっかりとしたデータに裏付けされた良い提言書になっています。教育水準が高い日本は人の平均的なレベルが高いといいます。高齢者や女性がもっと働くことができれば、実は日本は強いのではないかと。企業側も変わらないといけないんだろうな。実は日本はイノベーションはどんどん出ているのに、それを商品化等マネタイズする力がないという結果があるらしい。とにかく日本にはまだまだポテンシャルは大きい!という事かと。そう言い続けて何十年だけど(笑)2017/02/25