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内容説明
日本銀行の金融政策はなぜ効かなくなったのか? 仮想通貨はなぜお金として機能するようになったのか? 「金利付き貨幣」の出現は、経済の仕組みをどう変えるのか? 日銀を飛び出した異能の経済学者が、「貨幣発行独占」崩壊後の新しい通貨システムを洞察する。マイナス成長がもたらす大格差時代を生き抜くための必読書。 ※単行本に掲載の写真の一部は、電子版には収録しておりません。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
123
元日銀マンによる、仮想通貨についての評論集です。私などからするとまだまだ仮想通貨の時代は来ないのではないかと思いますが、中国当たりではビットコインの需要が多いようですね。この本では、金融政策についてケインズやハイエクを引き合いに出して比較的わかりやすく最近の金融政策の状況などを説明されています。ビットコインというよりも、もう少し小さな枠内(メガバンクグループ内での)での個別通貨が出るかもしれません。ブロックチェーンはさまざまな役に立ちそうな気はします。2017/01/13
Willie the Wildcat
42
独占”企業”の終焉?著者提起の「デジタル銀行券」はもちろんだが、規制国家日本の場合は、法で縛ることもあり得る。結果、中央銀行の終焉はもとより役割にも変化はなく、金融政策のカードが増えただけのような気がする。「流動性の罠」の件に納得感。一方、”通貨”の概念は腹に落ちない。仕組みと制度で縛ることで、ビットオインやアルトコインなどの可能性、本質的な何かを失う印象。銀行券とみるか、それとも証券とみるかという論点。故にPOWの価値源泉議論となっていないだろうか・・・。但し、”尺度”は不変であり同感。2016/12/12
にゅ
16
なかなか難しくて100%は理解できなかったが、この本は読んで良かった。筆者は日銀出身で中央銀行の話がメインだが、暗号通貨の事も中立的な立ち位置から掘り下げており大変参考になる。「ビットコインの価値の源泉はマイニングにかかった電力」など、皆が薄々気付きつつも案外多くの本で触れられていないことについて、しっかり説明しているので大変ありがたい。POW貨幣は創造にコストがかかる→信用貨幣のデジタル日本円などが出てきたらコスパ負けする可能性。などにも言及。巷に溢れる浮ついたビットコインマンセー本とは一線を画している2021/07/17
さっちん@顔面書評
13
ビットコインの仕組みと仮想通貨の可能性について書かれた本です。 難しいと感じる部分を飛ばして読めば良い本だと思います。 私はこの本を読んで複数の仮想通貨の積立を始めました!2018/05/15
koji
12
著者は、本書を書いていた時は、日銀のマイナス金利は「まあないだろう」と無視を決め込んでいたそうです。それがサプライズ。著者も慌てたようですね。さて、本書の主張は、「中央銀行がなければ」という思考実験を行い、仮想通貨により「決済手段」と「価値保蔵手段」を中央銀行の独占から奪い取ることまでいきつきますが、所謂ショックアブソーバーとしての役割は担えない、そこに日銀の役割が残るというものです。納得できました。又ビットコインの技術的側面は十分に理解できませんでしたが、「ゲゼルの魔法のオカネ」は分かり易い比喩でした。2016/07/27