内容説明
戦後71年、米大統領初の被爆地、広島訪問という日米史を転換する歴史的なニュースをワシントン特派員としてスクープした著者が、7年間に及び取材した日米両政府の水面下の攻防、ホワイトハウス内の暗闘を、知られざる生々しいエピソードを交えて明らかにする。
「核なき世界」でノーベル平和賞を獲得したオバマ米大統領が、自らの仕事の仕上げとして選んだのが広島訪問。オバマ政権発足により日米関係が大きく変わったことはほとんど知られていない。初の黒人系大統領として選出されて以来、オバマ氏の政策目標は常に「史上初」を乗り越えることだった。その視点で見れば、核廃棄、対イラン宥和、キューバ復交とつづいた外交の軌跡の終着点に広島訪問は位置づけられる。オバマ氏が築いた対日外交が、どのようにその後、引き継がれるのかを浮き彫りにする。オバマ氏は就任当初から広島訪問を意識していたが、その実現は容易ではなかった。本書は、その知られざる闘いも活写する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よーこ
9
現職の米大統領初の広島訪問。この歴史的訪問はどういう経緯で実現したのか。難しい内容かと思ったけど、とても読みやすい。広島訪問への意志があっても、日米関係のみならず、米国内の世論や中韓との関係など、方々を気にしなければならず、あらゆるタイミングが合った上でのあの歴史的訪問だったのだと分かった。自らも被爆者で、被爆した米兵捕虜の研究をしている森重昭さんとオバマ氏の抱擁の写真が感動的だった。2017/06/04
かおりん
8
2016年5月にオバマが広島を訪れた。どのように訪問が実現したかを歴史やオバマの政策などを絡めながらかかれている。さまざまな偉い人たちの証言も興味深い。鳩山元首相が退陣後オバマから手紙をもらった話は美談か?この人の証言は中身が…。今更ながら『核兵器なき世界』を掲げていたのを知る。番外編のホワイトハウスの話もおもしろい。全体に解りやすく読みやすい。2016/09/18
mochizo
4
アメリカ大統領が広島を訪問した。この事実が歴史に残る事として、そこまでの経緯がどれだけ困難だったのかがわかります。中々読ませますね。2016/09/29
お抹茶
3
日本経済新聞社ワシントン支局の記者が,オバマ大統領の広島訪問を軸としつつ,米国内政治や日米関係を追う。オバマは広島訪問を望んでいたが,実際は難しかった。2010年にルース駐日大使が広島と長崎を訪問し,日米両国の反応を探った。オバマの被爆地訪問の調整が進むかに見えたが,普天間問題やプーチン大統領就任で遠ざかった。米国務省は広島での首脳会談を提案したが,お膳立てではなくオバマ大統領の意思で来てほしい,と日本は応じなかった。広島訪問は,キューバ訪問と共にレガシーとして刻み込もうとした。2017/03/04
Yuko
3
ニュースだけは見えない国際政治の舞台裏。興味深い内容ではあったが・・・自分が生きているうちは実現が難しいだろうとオバマ自身が認めていた“核なき世界”。その後の各国の展開をみても暗澹たる気持ちになる。Sigh… それでも、先立って広島を訪問したジョン・ケリー国務長官や、実現に尽力したキャロライン・ケネディー大使らが作った流れを受け、大変な困難の中アメリカ大統領として実現させた広島訪問までの道のり、オバマ大統領個人の温かさも伝わる内容でした。 2017/04/24
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