内容説明
自由と平等、人間賛歌、言霊への畏れ―書家・四井汀花としても活躍する著者待望の第一句集。
ひら仮名を効果的に用いる「やまとことば」の遣い手としても評価が高い著者は、「書にも絵にもそして歌にも、優れた天分を持たれて生きる才媛であり、然してなお生き足りぬ思いの人生を流麗に生きる菅田が彷彿とする」と序文で赤井花城が記すように、静かな面(おもて)に秘める青春、沸々たる内面の激しさを句に託して、一人間としての懐の深さを表現する。
《こぼすまじこのぬくもりのひとしずく》
《一芸を持って人生生き足りぬ》
《限りない優しさ種の無いぶどう》
《ふり向けば支えてくれる手の数多》
《八月の夾竹桃は焔の匂い》
《問い詰めることはするまい男の背》
《恋衣脱ぐたび女深くなる》
《ほうほたる知らずや父と母の恋》
《たまゆらのはかなきことのうつくしき》
《雪月花帰らぬ刻を愛おしむ》
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