新潮文庫<br> 夜あけのさよなら

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新潮文庫
夜あけのさよなら

  • 著者名:田辺聖子【著】
  • 価格 ¥594(本体¥540)
  • 新潮社(2016/09発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101175034

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内容説明

「人に取られたくない」という独占欲が、愛のかたち―やわらかに耳を打つ、心を撫でられそうな篠崎サンの声。安心してよりかかれる気がするけど、どうしてそうやさしくするの?田辺聖子の恋愛小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

masa@レビューお休み中

107
もう、わかる人だけ笑ってもらえばよいのですが、登場人物の名前がすごいんです。主人公の名前がレイ子。主人公の恋人の名前が優(まさる)なのです。自分と似た名前の人物がでてくるだけでも気になってしょうがないですね。性格がちがおうが、レイ子のような恋人がいなかろうが、関係なく我が身のことのように感情移入してしまうんですよ。こういう体験は、はじめてかもしれないですね。軽妙なタッチで描かれるレイ子の物語は、関西弁のノリと、ウィットに溢れた会話のやりとりにごまかされそうになるのですが…すこぶる重くて儚い物語なのです。2015/03/31

June

21
二十歳過ぎのレイ子は、年齢も人柄も様々なそれぞれの男たちに惹かれていく。大学生の優はどこか遠くを見ている目をしていて、不安にさせられるけれども、会えば心の奥底から響く高揚感がある。同僚の宏とは、話が合って笑い合い、気持ちのはずみもある。四十男の篠崎は深く落ち着きのある声で心が撫でられるような安らぎと幸福感を与えられる。人と人、接近してはすれ違っていく。田辺作品は軽快な会話とテンポの良い展開で全体を明るい雰囲気が流れていくが、決して人生は思い通りに運んではいかないことをしっかりと伝えている。2014/08/02

ちょっきんな

10
先日お亡くなりになられた田辺聖子氏の作品始めて読みました。人ごととは思えないレイ子の恋。わかるわぁぁぁあ… 同じ年代にはない紳士な大人の篠崎サンへの憧れやダメ男なのに、どこかほっておけない優。レイ子にはステキな大人になってほしい。2019/06/17

れい

2
相手の男関係なしに、レイ子が一人で恋心に舞い上っては落胆する様子が続くため、痛いし深みを感じられなかった。何か気に食わない、嫌だと思わせられるのは他人事ではないからだろうか。2023/05/30

ブン

2
「悪魔には悪魔のかなしみがあるように」という冒頭から惹き込まれる。そんなこと考えたことなかった。そのもの悲しい思考も、笑える言葉で唐突に打ち切られるのが田辺さんらしい。この物語全体を通じても、ずっと悲しいことばかりが続く訳じゃないことを思い出させてくれる。またじわじわと元気になれた。2023/02/23

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