新潮文庫<br> 三十すぎのぼたん雪

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新潮文庫
三十すぎのぼたん雪

  • 著者名:田辺聖子【著】
  • 価格 ¥638(本体¥580)
  • 新潮社(2016/09発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101175096

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内容説明

もう無邪気ではいられないけれど、大人にもなりきれていない。そんな中途半端な年頃には、恋との距離も微妙になる。はじまりかけた恋への期待に、苦い記憶がそっと忍び込んでくる。心が触れ合ったと感じた瞬間に、哀しい予感が静かに満ちてくる。たのしさやときめきの裏側にある、ものさびしさとやるせなさをしみじみ描く。恋愛小説の達人ならではの、心に優しく沁みる佳品9篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

84
面白かったです。青春時代という年頃とはちょっと違い、かといって大人になりきれていない中途半端な年頃の微妙な恋心が描かれていました。ハイミスであるが故の、恋が始まりかけたときに忍び寄る若い頃の記憶。心が通じたと思った瞬間に哀しみの予感が襲うのが、ときめきの愉しみの裏にある寂しさなんでしょうね。ハイミスの恋は微妙でリアルさを感じさせます。結婚できないことの切なさはあるけれど、恋する自由に生き生きとしている。だからハイミスたちの恋の優しさが好きなのだと思います。2016/12/22

mukimi

68
生まれる10年前に書かれたハイミス小説に共感の嵐。この世に男と女がおり結婚という制度がある限り、そろそろ結婚…の女心は不変らしい。恋,結婚,妊娠,出産という女の一生の美しい打ち上げ花火をつるべ打ちに放ちたいだとか、抽象能力分析能力表現能力のある男は男らしいとか、昨今はセクハラになるから言わないだけで皆思ってるに違いないことが描かれており苦笑。ただ、田辺先生がハイミスの中に1人で食べていける生きていけるという自負ともっと色んなことやってみるっていう進取の気性を見て取っておられ脱帽。代弁ありがとうございます。2020/02/23

ゆきこ

24
色んな事情を抱えた「ハイミス」たちを描いた短編集。昭和53年刊行。今では使われていない懐かしい言葉たちがいい味を出している、とても魅力的な文章だと感じました。作中に描かれる社会の雰囲気は今と違っている部分が多いですが、女性たちの思うことや考え方には共感するところが多かったです。一番好みの話は「るみ子の部屋」でした。2019/12/18

ロイヤルミルクティ

13
「ぎっちょんちょん」が好き。男女の綱渡りのような微妙な関係がリアルです。しかし、どうも田辺さんの作品の男性は軟派な人たちばかりだなぁ。だから面白いのか。2013/08/06

青豆

7
どれだけ時が流れても男女の仲というのは変わらないんだなと思う。「母と恋人」が可愛らしくて好き。相手の男性のこんなに不器用で優しいデートの誘い方は素敵だ。この小説が書かれた時より今はずっと便利で豊かになっているのに、人の心は貧しくなったなぁ。2014/01/02

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