内容説明
不甲斐ない彼氏と理不尽な職場を捨て、ひとり旅に出た弥生は、滞在先の上海で葉月蓮介と出会う。蓮介は、高級家具を扱うレゴリスの若き経営者として注目される存在だった。一方、この街に住むシュウメイは、美貌を買われ、レゴリスのCMモデルに選ばれるも、それをきっぱりと断っていた──。恋は前触れもなく、始まった。道尾秀介があなたに贈る、絆と再生のラブ・ストーリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
nobby
157
月9キムタク主演ドラマ原作は、道尾さんらしくないけど道尾さんにしか書けないラブストーリー。あとがきでの本人の言葉による「映像化できることを前提」とした小説に納得。いわゆる黒に白にみられる闇や不憫はほぼ描かれず、あくまで印象はとことんピュア(笑)大人の男女が各々の立場で些細な嘘を重ねるも、そこに不幸のどん底は訪れず苦難も日常の範疇なのが心地よい。そんな映像の作り手からの要望に合わせたテンポよい物語をサラッと読みやすく綴る器用さはサスガ♬ただ、あくまで別物として楽しむ趣向は個人的には2度目はなくてもいいかな…2020/10/02
イアン
114
★★★★★☆☆☆☆☆ドラマと並行して企画された道尾秀介の長編。恋と仕事に挫折した弥生は、逃げるように辿り着いた上海で王手家具メーカー・レゴリスを経営する蓮介と出会う。一方、上海に住むシュウメイはレゴリスのCM出演オファーを蹴り、父が住む日本へ。順風満帆とは言えない3人の人間模様が交錯する恋愛モノであり、些細な見栄からついた「嘘」が複雑に絡み合い、物語を形成している。テレビ局への配慮か、悲劇のトリガーとなり得る2つの死があっさり描かれ過ぎている。もっとグロテスクに「騙し」に徹した道尾秀介の方が、私は好きだ。2025/09/16
aoringo
101
仕事を辞め、やけくそな気持ちで渡った中国で全ては始まった。とても丁寧に描かれたラブストーリー。それだけでなく友情や人として大事にしなければいけないこと、日々の雑事で忘れかけていないか自分自身を振り返ったりした。読みやすい文章で読後感も抜群。帰国してからの主人公の急なモテ期は確かにTVドラマっぽい。もどかしいくらい遠回りをする二人の行方をそわそわしながら見守りました。大きな盛り上がりがあるわけではないけど、温かで癒される作品で良かったです。2022/05/25
tengen
77
ミステリーでもホラーでもなくどんでんがえしもない道尾作品。 ドラマのようだなぁ、と思いながら読みま終えましたが、 著者のあとがき読んで、ホントにドラマのための書き下ろしだったと知りました。 ☆彡 サラリーマンから高級家具の会社を興し、上海に進出するまでに発展した「レゴリス」 その敏腕で会社を大きくしてきたが、何かが狂い始める。 弱り切った蓮介は弥生を追い北海道へメロン修行へ向かう ☆彡 居酒屋おんちゃんの巨大明太おにぎりを食べてみたい。2015/09/15
アイゼナハ@灯れ松明の火
68
映像化できることを前提に書かれた初の道尾作品なのだとか。で,この読みやすさ,爽やかさは一体何としたものか…思わず,惚れてまうやろっ!!と叫びだしそうになりました。いつもの(?)どこか後味の悪いものの先にある美しさといった世界もよいのですが,平凡な世界の中にある美しさもこんな風に描き出せるんだ…と思うとゾクゾクします。ま,新興企業の青年社長と前の会社に愛想を尽かした元派遣職員に,謎の中国人美人モデルの出てくるお話を平凡な世界と言っていいのかという問題はありますが(笑) 素敵なお話だと思いました,ハイ。2013/03/14




