内容説明
【トニイ・ヒラーマン賞受賞】アリゾナ州の荒れ地に老犬とともに住む男ロデオは、かつてロデオ競技のスターだったが、今は私立探偵をして食いつないでいる。ある日、休暇旅行から帰ると、彼の敷地の前に先住民の男の死体があった。これで殺された先住民は四人になるという。そんな折り、ロデオは友人から仕事を紹介され、ある少年が殺された事件の再調査を開始する。だが、前途には深い闇が待ち受けていた! 絶大な評価を獲得した大型新人の話題作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
goro@the_booby
44
会話の鉤括弧が無い文章構成。荒涼とした土地が如何ともしがたいどんづまり。強くはないが仕事はきっちりこなすインディアンの私立探偵。老いた犬が相棒。荒涼だったのは土地だけじゃなく人間もだった。しかし殺し屋を乗せたのは誰だったんだろう…。2017/02/23
みみずく
23
作者のデビュー作ということで、書きたいことが山ほど盛り込まれた作品だった。場所はアリゾナ州。先住民族の元ロデオスターの男、その名もロデオは私立探偵…ときてハードボイルドタッチで物語は進む。たくさんのクセのある人々が登場し、感情移入もし辛い、というとつまらなかったように聞こえるかもしれないが、なんとも味わいのある作品で、語りたくなってしまう作品だった。整合性が取れない部分もあり、だからこそ他の人と答え合わせをしたくなるのだけど、その部分が逆に想像の余地を与えてくれる、とも言えると思った。2016/10/30
syachi
8
帯の煽りにあったけど確かにマッカーシー風味。ただまあ全般的にほんのりウェットな感じ。でも悪いわけではなくてそれもいい感じ。整合性あたりでクエスチョンマークでるところがあったけど、今後も著作を読みたいなと思いました。2016/11/05
Space invader元ダンリック
8
普通のハードボイルドかと思いきや、ラストであれ?ってなります。全体的に読みにくい文章になっていて、読了するのに時間がかかりましたが、一癖も二癖もあるストーリーとキャラクターに唸らされました。翻訳した方もかなり苦労したのでは?表面的にはドライですが、その下地はかなりウェット。読みにくいというハードルを越えれば、かなり魅力的な作品だと思います。2016/10/21
一柳すず子
5
エピローグよくわからん。主人公脅され損?先住民のコミュニティーっていうのは興味深いけどなんで殺されたのかな。犬はかわいいしビッチな前妻とか舞台装置は面白いんだけどストーリーは微妙。「ドライ・ボーンズ」もだったけど、マッカーシーに影響を受けた人って多いのかな。2017/05/31