内容説明
三井物産に入社して以来、イランでのIJPCプロジェクトをきっかけに
中東、アメリカを中心に欧州など、世界と深く深くかかわってきた著者が、
自身の過去を語りつつ、いま世界で何がおきているかを整理する。
戦後、海外派兵をしなくなった日本で、ピーク時は3500人もの邦人がイランで働いていた
三井物産のIJPCプロジェクト。
イラン革命、イラン・イラク戦争の荒波に翻弄され、そのとき
世界で何が起きているのかを現地で調査するところから、
寺島氏の情報収集活動が始まった――。 そうして形成されたインテリジェンスが、
現在の知的活動を支えている。
寺島氏の経験を追体験することで、エネルギー面で見た戦後日本の歴史と、
これからの日本のエネルギー政策、中東との関わりがどうあるべきか、気づきを得られる。
宗教対立、グローバル・ジハード、エネルギーとしての原子力、アメリカの外交政策など、
現代を動かす重要な要素のそれぞれがどう絡み合っているかを読み解いていく。
21世紀の経済社会を生きる人へ、現場からのインテリジェンスに基づいた世界認識を示す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
templecity
17
炭鉱会社の父を見てグローバルの活躍を目指して三井物産に入社した著者。炭鉱は大陸からの引揚者の労働力を九州するにタイミングが良かったが、1961年をピークに斜陽化していく。そのため炭鉱町では気弁当を持参できない生徒もいた。物産入社後、イランの石油コンビナート事業に携わるがイランイラク戦争により撤退。その後、ニューヨーク、ワシントン駐在と海外生活が続く。中東では生活の安全と宗教を強く意識する。宗教が完全に生活の中に入り込んでいる。それを理解しないことには生きていけない。(続きあり) 2020/02/03
おせきはん
11
著者の経験をもとに、主に中東情勢を歴史的背景から解説しています。中東、米国、欧州から世界、そして日本を見ることにより、世界の動きをより深く、正確に把握していく様子を追体験できました。私の立場では現地での定点観測は難しいものの、少なくとも欧米から発信される情報にも積極的に触れるようにします。2018/05/01
Lila Eule
9
著者と日本の半生記。日本に検証報道が欠けてるそうで、新聞、メディアではよくわからない事が、本書ではよくわかる。イスラムの動機、その道理、アメリカの動機、その野心、欧州の大罪、その狡猾がとてもよくわかる。腑に落ちた。日本の立場は独特で他国にない稀有な位置をとれると。宗教争いに安易に与せず、巻き込まれず、日本の和解の文明を賢く覚悟して示せと。夢見る乙女のシュプレヒコールなど誰にも相手にされぬと。技術を磨き、あらゆる方向を見据え、意見対立しても親交しつづけられる度胸と知性を磨けと。正しい指針に読後感はすっきり。2016/10/04
エドバーグ
8
情報を得るために、歩かざるを得なかった時代の話だと思いました。今やネットでほぼ取得できるが、あまりに膨大なため 特に翻訳、分析 考察が本当に大変。しかし、多分AIでやれそう。2020/05/19
ひかりパパ
7
著者はエネルギー問題を軸とした中東、アメリカでの体験に根ざした独自の視点から日本の外交や企業戦略に積極的に提言している。ユダヤ、イスラムへの造詣も深く非常に説得力を持つ。著者は「中東とアメリカとアジアを観ながら、その三角形のなかで日本の位置と相関させながらモノを考える」ことができる。地球儀を手にした視界から世界戦略を考える必要性を説いている。2017/01/08
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