- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
時を超え、世界中で読み継がれる文学の古典は、21世紀を生きる私たちにとってなお身近な感覚や切実な問いを突きつけている。
『ドン・キホーテ』『罪と罰』『ボヴァリー夫人』『失われた時を求めて』などの大作から、チェーホフやカフカ、メルヴィルの短篇まで、フィクションを読む技法と愉しみを知りつくした4人が徹底解説。
放送大学でロングラン9年の大人気講義に原典の名訳・新訳を交えて再構成した、海外文学案内の決定版。
※本書には、紙版の第16章に収録されている下記3作品の抜粋は、版権上の理由により収録されておりません。
イタロ・カルヴィーノ『魔法の庭』 (和田忠彦訳)
イタロ・カルヴィーノ『楽しみはつづかない』 (和田忠彦訳)
イタロ・カルヴィーノ『ある夫婦の冒険』 (和田忠彦訳)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かふ
18
工藤庸子の文学講義。『ドン・キホーテ』から始まるのが嬉しい。全体的にモダンな作品を扱いながらポスト・モダンな読みかな。フローベルのキッチュな『純な心』とか。カフカ『断食芸人』は作品とカフカ自身を重ねて涙が出そうになる。そして『失われた時を求めて』も。フェミニズム関係では『ジェイン・エア』をヴァージニア・ウルフにつなげて解釈する。「開かれた文学」なのだ。一つの作品がそこで閉じるのではなく次の読書に繋がる。そんな文学の楽しみ。最後のカルヴィーノは引用が出来なかったが、カルヴィーノの初期はリアリズム文学なのだ。2023/09/26
ユーカ
14
これも知ってる、あれも知ってる、というタイトルと作家ばかりだけれど、「読んでいる」と侮るなかれでした。大昔に読んだものは細かいディテールは忘れているし、比較的最近読んだものでも解説されてみると「そんな読み方してなかった!」となる。あと、この本には各章に「読書案内」が付いていて関連本情報があるのです。再読も含め、読まなければと思う本が積みあがります。比較的たっぷり作品の引用がされていて作品の文章に直に触れられるので、頭の上で解説だけがされている感じがしないのもとても良かったです。2023/05/22
kibita
11
子供の頃に読んだ名作。これらは大人になった今こそ読み返すべき、と痛感した。「ロビンソン・クルーソー」も「八十日間世界一周」も、上から目線の文明人ヨーロッパ人至上主義とか、目から鱗。子供の頃はそんな視点はなく、ただ単に冒険物として、それはそれでいいのだが。放送大学の講義テキストの改変らしいが、とても分かりやすくて、おすすめ。2023/09/02
吟遊
8
19世紀ヨーロッパ小説を中心に、世界古典文学を読む、放送大学の講座をまとめたもの。初出は2007、それを2度、改訂してこの角川ソフィア文庫に至る。工藤庸子さんがメインの編者、執筆社。フェミニズムとポストコロニアリズム(植民地主義を批判的に検討)がふたつの柱と言える。それぞれの作品の読み解きのために、参考文献がついているのだが、これが秀逸だと思う。2016/08/30
ちぃ
3
面白かった!2022/01/16