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内容説明
日本の国語教育がうまくいったわけも、日本人が数字に強いわけも、ワープロ音声入力が日本語でまず成功したわけも、すべて日本語の特質にある! 本書は、言語学の第一人者が、日本語の美しさや機能性を、他言語と比較しながら丁寧に紹介。普通の会話レベルですら、ヨーロッパ言語の3~4カ国語分にも相当するという、日本語の奥深さや魅力を余すところなく伝える。日本語ならではの美しい表現も身につく、目から鱗の日本語講義!
※本書は、二〇〇一年四月、小社から刊行された新書(角川oneテーマ21)『ホンモノの日本語を話していますか?』を改題し、文庫化したものが底本です。
[内容]
第1章 知っておきたい日本語の特徴
性格--日本人は語学の天才
発音--コンピュータの音声入力に有利な言語
文字--漢字・ひらがな・カタカナ・ローマ字交じりの長所
文法1--動作と同じ順番に並ぶ日本語
文法2--日本語だから九九が覚えられる
単語1--新しい言葉が次々にできる理由
単語2--日本人の性質が表れる言葉とは
第2章 日本語に表れる日本人の性質
なぜ外国人に日本語を教えるのが難しいのか?
はっきり言わない方がいい
恩に着せるような言い方をしない
言い訳することを潔しとしない
言葉をどんどん省略するのはなぜか
話しべたな方が好感を持たれる
挨拶は丁寧すぎる方が好まれる
ぼかした言い方をするわけ
日本人は察しのいい民族
第3章 言葉の知識を増やす
日本語の個性
語源をめぐる話
私の解釈
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ムッネニーク
102
62冊目『ホンモノの日本語』(金田一春彦 著、2016年8月、KADOKAWA) 何やら大仰なタイトルが付いているが、内容は非常に軽い雑文集。 日本語にまつわる小話が集められており、なかなかに興味深いものもあるのだが、現代の価値観にそぐわないものも多々見受けられる。本書で語られる日本人の「美徳」が、閉塞感のある社会を生み出しているようにしか思えないのだが。 「結局日本語というものにはいろいろ不完全なところが多く、日本人はそのような言葉を使いながら、おたがいに理解し合える民族なのだろう」2023/05/29
しましまこ
22
「キミは結婚したのかね」「ええ、一応」この一応の意味を外国人に説明...難し過ぎる!!改めて考えると面白いよ、日本語。2016/09/19
ふたば@気合いは、心を込めて準備中
6
日本語は難しいといわれる。文字が三種類あったり、多種多様な表現方法があったり、敬語の問題などがそういわれる所以だろう。外国人には奇異に映るとか、グローバル時代に遅れている言語だとか、いろいろ言われているようだ。日本語の豊かな語彙と柔らかな表現の仕方、海外からの言葉をよりスマートに取り込めるところ、簡単にも複雑にも、使う人の力量に合わせられるところ、自分は日本語ほど洗練された言語は珍しい、とさえ思っていた。日本語から海外の言語に翻訳すると、そっけなくも味気ないものになると思っていた。2017/12/15
わ!
4
金田一春彦さんの本は、おそらく初めて読んだ。正確に言えば、小学生の時に金田一春彦さんの国語辞典を使っていたので、そこから数えると2冊目かも知れない。 親が持っていた国語辞典が金田一京助さんのものだったのも印象的。丁度横溝正史さんのシリーズが流行っていたころだったので、よく覚えている。 とにかく面白い。目の前で「日本語」が、いろいろな芸を見せてくれている様な内容で、目から鱗の連続である。まさに言葉の魔術師で、いろいろな言葉と日本語との比較も多く、日本語というものがどの様な文化圏の言葉なのかがよくわかる。2022/12/13
アホロートル
4
外国人と話してると必ず聞かれるのが日本語の表現や微妙なニュアンスについて。そういう質問を聞いてると、日本語って結構難しいんだなと実感する。普段の会話だけでも3ヶ国語に相当し、かつこれほど難しい言語を扱う日本語話者が英語の習得に時間が掛かるのは文字や語順だけが問題ではないのかもしれない。合理的だが論理的ではない日本語と論理的だが合理的ではない英語という根本的に思考様式が真逆の言語体系が故なのではないだろうか。2016/10/27