内容説明
出家した作家・宇都木のまわりには、姉の死や裁判を受けている俳優からの電話、獄中の死刑囚からの手紙などの“事件”が相次ぐ。作家として尼僧として、誠実に対応しつつ、虚が実で実が虚の世界を書き続ける。現実の展開を小説の中に映し、自らの道をわき目もふらず独り歩きつづけた作家の、人生への愛と哲学に満ちた長編。瀬戸内寂聴が得度十年目に書いた、「亡き姉に」捧げる一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
34
初読。2015年153冊め。フィクションなのか自伝小説なのか、考えながら読んでしまう。自分に姉妹がいないからか、なんだか不思議な関係に思える。2015/02/18
金吾
17
人の生死について考えさせられました。また初端のお産のシーンから、文章にひきつけられました。2023/11/28
mimimimimemo12
1
出家した作家の恋愛のこと、姉妹のこと。自伝なのか物語なのか、、? 昔ながらの描写が私には読みづらく途中離脱。2025/01/18
よしえ
1
☆☆☆2018/03/14
りら
1
著者自身の周囲であった出来事のように、また言われたこと、言ったことのように、訥々と時には激しい感情を交えながら書かれている小説。どこまでが真実なのかも見当がつかない。ただ、死に対する考えや電話をかけてくる男の声は著者自身のものなのかもしれないと、なんとなく思う。読みやすいものではないけれど、途中から書き方が少し変わって続きを読まずにはいられなくなった。2012/03/12