内容説明
1942年2月19日.大統領ローズヴェルトの発した立ち退き令が引き金となり,強制収容所に送られた日系アメリカ人.極小マイノリティであるばかりか,収容体験を葬り去るべき「トラウマ」として抱え込んだ彼らがなぜ,謝罪と補償(リドレス)を実現できたのか.アメリカ現代史の第一人者による,30年に及ぶ研究の集大成.
目次
プロローグ──リドレス運動の壁
一 なにが問題なのか
二 どのように研究されてきたか
三 再定住とリドレス運動研究の始まり
四 本書の構成
第一部 中西部・東部への再定住
第一章 米国政府内部の対立──一部収容か一括収容か
一 日米開戦と日系人立ち退きをめぐる論争
二 自発的立ち退きの挫折と日系人一括収容の決定
三 日系人社会の反応
四 日系人部隊発足の請願と暴動の発生
五 ツールレイクの隔離転住所化
六 西海岸からの日系人立ち退き令の撤廃
第二章 中西部・東部への再定住の始まり
一 再定住政策のディレンマ
二 日系人の再定住を支援した一部の白人たち
三 日系学生の転校と農業労働者の一時出所
四 中西部・東部への恒久的再定住の始まり
第三章 なぜ学者たちは日系人収容に協力したのか
一 コミュニティ分析課の設置
二 日系アメリカ人立ち退き・再定住研究の意義
三 学者の収容協力──その文化史的位相
第二部 西海岸への復帰と人種関係の変容
第四章 日系人の西海岸への復帰と排斥運動の再燃
一 西海岸への試行的復帰
二 日系人の排斥と受け入れの角逐
三 日系人部隊の活躍と世論の変化
四 西海岸復帰の本格化
五 ノー・ノー組の苦悩──帰国か残留か
第五章 軍需産業の急成長と人種関係の重層化
一 戦時下西海岸の社会変動
二 激化する人種対立と緩和の模索
三 「リトル・トウキョウ」と「ブロンズビル」の角逐
四 「反ファシズム戦争」と中国系差別法の撤廃
第三部 「成功物語」とトラウマの潜行──世代を超えたリドレス運動へ
第六章 「モデル・マイノリティ」神話の登場
一 土地所有・帰化権などの差別撤廃と日系市民協会の再建
二 戦後の日系人の地位上昇と「モデル・マイノリティ」という神話
第七章 日系人のアイデンティティ変容と収容体験の封印
一 強制収容は日系人の同化を促進したのか?
二 宗教意識の変容
三 家族形態の変容と二世女性の「解放」
四 収容体験を語った少数者
第八章 収容体験の語りだしとリドレスの実現
一 アジア系運動の始まりと三世の登場
二 日系人社会におけるリドレス論争の始まり
三 調査委員会の設置からリドレスの実現まで
エピローグ──リドレス運動の勝因と世界史的意義
文献リスト
あとがき
キーワード
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