内容説明
高校生の鈴木沙穂梨は、個人情報を盗んだ疑いで逮捕された友人の父の無実を証明するため、彼氏の拓人とともに調査を開始する。そのころ世間では『サイコ・エンジェルズ』というスマホゲームが大ブームを巻き起こし、高額課金やアイテムの売買などが社会問題化しつつあった。女子高生の日常と世界的陰謀がサイバー空間で交錯し、思わぬ真相が明らかに。「いま」を描くサイバーミステリ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ポップノア@背番号16
69
「天才ハッカー安部響子と5分間の相棒」の続編。友達の父親のハッキング容疑を晴らすべく沙穂梨と彼氏の拓人は調査を始めます。今回の主人公はこの2人ですが、響子率いるハッカー集団「ラスク」も再始動。よりスケールアップしてて楽しめました。フィクションではありますが、著者からの警告のような本作。2012年に起きた「パソコン遠隔操作事件」のような冤罪が簡単に起こりうる現実に驚きと警察、ひいてはマイナンバー制度を推進する日本政府の無防備さに迄思いは馳せます。でもガラケーでは生きづらい世の中になって来てるんだよねぇ(泣)2020/11/11
ポップノア@背番号16
55
【再読】日本製だと思っていた大人気ゲームアプリが実は北〇鮮製だったら。そしてそこから個人情報だけでなく資産まで流出していたら。世界中で急増しているリスト型アカウントハッキング攻撃。防衛力が脆弱な日本は格好のターゲットらしく、かくいう私もネット通販詐欺で4万円を失った(泣)「サイバーセキュリティの問題はIT先進国では軍事や政治と同等に扱われるレベルで、無名のハッカーが一夜にして政府を手玉に取ることも可能な時代」と作者は警鐘を鳴らす。真っ直ぐな正義感と生き方を選べない不器用さが同居する女子高生ハッカーの物語。2023/01/06
よっち
27
世間でスマホゲーム『サイコ・エンジェルズ』が大ブームの中、個人情報を盗んだ疑いで逮捕された友人の父の無実を証明するため、女子高生・鈴木沙穂梨が拓人とともに調査を開始するサイバーミステリ。大ヒットする一方で社会問題化しつつあるスマホゲームや一度逮捕されてから無実と認められることの難しさなど現代社会でも気になる問題や、二人のもどかしい恋模様が描かれる一方で、未だ初々しい距離感が萌える響子と肇のたちも再登場して組み上げられてゆく終盤の決着劇には爽やかな読後感がありました。続編また出てくれることを期待しています。2016/08/02
ひさか
11
2016年7月集英社文庫刊。シリーズ2作目。安倍響子の後を継ぐ、次世代ハッカーの沙穂梨の活躍が楽しい。2019/09/08
まっとし
8
今回も面白かった。今勉強しているセキュリティの用語がふんだんに登場してきた点も興味を惹いた。0.02ミリの冒険ってそういう事だったか。2017/02/18