内容説明
神様のような清廉な教師、坪井誠造が逝去した。その通夜は悲しみで包まれ、誰もが涙した――と思いきや、年齢も職業も多様な参列者たちが彼を思い返すうち、とんでもない犯罪者であった疑惑が持ち上がり……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
971
十数年前だったら「またコレ系か…」となってウンザリする感じのトリックだが、流行りが過ぎて何年もたってから読むと意外にスンナリ騙される事が出来て一周回って新鮮だったな、みたいな一冊。軽快でテンポ良く、元芸人らしいクスリとなる小ネタも挟み上手く出来ていると感じた。盗聴と登頂の勘違いのくだりなんかはまんまコント。ただ、そのコントみたいな事の運びがあってこそ成立するような物語なので、これは個性といえるのか。作家としてはともかく、ミステリとしてはもうちょっと独自性が欲しいようにも感じるが、今後に期待という事で。2017/07/17
青乃108号
554
神様の様だった校長先生が死んだ。通夜の斎場を舞台に、喪主の娘並びに参列者のモノローグとダイアローグのみで語られる神様の様だった校長の裏の顔。どうやら校長先生は何件もの殺人事件に絡んでいたらしい。何しろモノローグとダイアローグだけなのでいわゆる地の文が全くない。モノローグとダイアローグだけなのでそこはそれ語り手の思い込みや勘違いを含みながら語られる為、だんだん訳がわからなくなるのだが何しろモノローグとダイアローグだけなのでアンフェアだと文句をつける訳にもいかない。ひねりの効いた展開が楽しかった。2023/02/11
しゅら
406
構成力が秀逸でこれがデビュー作とは思えない、おもしろい!1人ずつ故人のことを回想していてそこに散らばる要素が他の人の回想に絡むため読み手は気付いて、あれいい人じゃないよね?となり、登場人物達がすり合わせをして、悪人?いや待てよと検証してやっぱりいい人だ、で終わると思ったらまさかの展開。善人?→悪人!→善人!となった時の彼らの感情の振り回され方がまたおもしろい。人間ドラマだなぁ。「「あいつ善人ぶってるけど、腹ん中じゃ何考えてるか分からないだろ?あの、いかにもいい先生ですみたいな嘘臭い目が大っ嫌いなんだよ」」2019/10/30
扉のこちら側
338
2018年272冊め。教師の鑑、神様のようだと評される善良な男性の通夜の席で徐々に明らかになる裏の顔。かけられる疑念と、関係者の語り口がおもしろくて引き込まれていった。結末も満足いくもので楽しめた。2018/07/06
ハゲおやじ
334
帯につられて購入。初めての作家。他の方も書かれているが台本の様な構成。坪井誠造の実体をそれぞれの人が語る。伏線をちりばめてコイツが…と みせかけて残り1/3位でドドーッと驚きの展開へ。ネタ的には有りがちなんだけど(ちょっと反則的なんだけど)ラストで「おぉ~。」って思ってしまった。内容的には ドロドロしてるんだけど 軽めの描き方で ニヤッとしてしまう。でも、この構成(書き方)に慣れるまでに時間が掛かった。(私の読解力の問題だよね)2017/10/08
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