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内容説明
情報を制する国家が覇権を獲得する!17世紀オランダの活版印刷、19世紀イギリスの電信、20世紀アメリカの電話――、世界史上のヘゲモニー国家は、情報革命の果実を獲得することで、世界の中核となった。しかし、インターネットがもたらしたのは、中核なき世界だった!ソフトパワーの500年の歴史を辿りながら、「近代世界システム」の誕生から終焉までを描きだす一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
masabi
23
【要旨】情報という観点からヘゲモニーの推移を概説する。【感想】情報の非対称性を克服し、世界は情報の不安定性に揺るがされることになる。フロンティアの開拓を前提にした近代世界システムもフロンティアの消滅と再定義を受けて崩壊し始めている。しかし、来るべきシステムは未定である。ただ言えるのは、インターネットに代表されるようにもはや覇権国と呼べる国家は存在しないということだ。イギリス帝国の整備した電信・保険・海運についても知ることができよかった。2016/12/03
鯖
21
世界史上、情報によって経済の中核となったヘゲモニー国家は3つしかなかった。印刷によるオランダ、電信によるイギリス、電話によるアメリカだ。ポストアメリカはどこかという議論もあるが、著者は近代世界システムが終焉する以上、この先ヘゲモニー国家は現れないと主張する。他の著作もだいたい読んでいるので被りはあるけれど、今作も面白かった。エラスムスの時代、本は見本市に合わせて出版されるので、その直前に論敵から反論書が出るとその反論するのに、次の見本市まで6か月かかるのでパリの印刷業者に手を廻してたというエピ。情報は力。2024/07/24
tolucky1962
14
印刷・電信・電話で蘭英米が覇権国となる歴史観。情報の非対称性が減る間覇権国は未開拓地から利益を上げる。活版印刷術で書物量,識字率が上昇。蘭商人は印刷と郵便で利潤向上。均質情報を広げる慣行を世界に押し付けた。英は電信と蒸気船で情報伝達早める。世界の成長で英は電信手数料を得る。大戦後米は電話と車で覇権。電話は家庭に浸透,安く安定し感情も伝える。ただ情報が行渡り未開拓地がなくなり次の覇権国はない。『おわりに』では人口ピラミッドがなくなり,株主が短期利益を求める中,労働者の賃金が未開拓地になる恐れも指摘している。2020/03/05
サアベドラ
13
ウォーラーステインの世界システム論に登場する3つのヘゲモニー国家、すなわちオランダ、大英帝国、アメリカが覇権を取った理由を、それぞれの時代に進展した情報技術(活版印刷、電信、電話)と結びつけて論じる。著者は近代ヨーロッパ経済史家。大英帝国と電信はうまく説明できているが、他2つはちょっと無理があるなあというのが正直な感想。あと、インターネット時代は情報発信の中核が不在ゆえ覇権国家は生じ得ないという論はわからなくはないが、続くネット時代の大倉庫で働く労働者は搾取されている云々は流石にフォローできなかった。2017/05/21
中島直人
12
(図書館)情報を押さえるものが世界を制する。初めはオランダ、次がイギリス、最後がアメリカ。各々、出版、電信、電話により、覇権を得た。現在は、インターネットにより情報の中核を押さえることは不可能となったため、今後、覇権を握る国は現れないだろう。むしろフロンティアを労働者賃金に求める経済構造が強固となることにより、貧富の格差拡大が最大の課題となってくる。2018/08/09




