内容説明
「プログラマーという人種はですね。他人とともに、自分も信じない人間なんですよ」
やる気なさげなプログラマー探偵、鹿敷堂(かしきどう)登場!
安藤裕美は20代で起業し、腕のよいプログラマーを企業に斡旋している。
裕美の猛烈な営業で業績は順調に拡大していたが、そこに大事件が発生!
自分の会社が送り込んだプログラマーが、取引先企業の持つ個人データ5万人分を
暗号化して使用不能にし、そのデータの「身代金」を要求してきたのだ。
事件が知られれば、取引先どころか、自社の存続も危うい。
悩む裕美は、自社への出資者から補佐役として奇妙な青年を紹介される。
それが鹿敷堂(かしきどう)桂馬だった。
「僕は探偵でもなんでもありません。ただのプログラマーです」
タイムリミットは2日間。2人は事件を解決できるのか。
「僕にできるのは、デバッグぐらいですね」
2016年の松本清張賞を僅差で逃したものの、選考委員の熱い支持をうけて異例のデビュー!
「探偵役の鹿敷堂がいいキャラクターなので、シリーズ化に挑戦してほしい。
プログラマーの世界をもっと読みたいという意見は(選考委員)全員一致した」
(石田衣良氏・選評より)
「働くひとたちへの熱い応援の気持ちと、社会やシステムへの疑問と怒りが作品に
こめられていて、とても胸打たれた。しかしそれだけではなく、登場人物が魅力的で、
読んで楽しい小説! おすすめです!」(三浦しをん氏)
現役プログラマ、ゲーム作家として活躍してきた著者による超一級のエンターテイメント小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
るっぴ
27
柳井政和作品、初読み。プログラマ-が犯罪に手をそめていく話。プログラマーって、対人能力低い人が多いけど、そういう人は、やっぱり気持ち悪い。プログラマーの鹿敷堂の状況分析力が面白く、終盤は、一気読み。2016/11/12
Thinking_sketch_book
26
★★★★☆ プログラマーが書いた本とのことで期待しない面もあったが本当にハラハラドキドキし読むにつれ引き込まれていった。随所に出るエンジニアにしか分からない彼らの感情描写は生々しく、共感してくれる人もいるのだという嬉しさも感じた。2017/01/22
のなのな
16
面白かった!現代の問題が、全て詰まっていて面白かった!次も読みたいです。2018/02/07
だいとーさ
14
非常に面白かった。リアルな話だったなと思いました。 n%9||9はなるほど。プログラマーとは、正しいプログラマーとは何がよく理解できました。 人に頼る力これ大切やなー 2023/04/18
マサキ@灯れ松明の火
13
「人のためになることがしたい」と猪突猛進で企業した若き経営者・安藤裕美。出資者の東城院加奈子の厳しい審査(?)を乗り越えて、プログラマーの転職を斡旋する会社を軌道に乗せるために粉骨砕身する!そんな矢先に、取引先に斡旋したプログラマーが、5万人の投薬データを人質に身代金を要求する事件が発生する!持ち前の猪突猛進で解決に乗り出す裕美だが…東城院加奈子から、送り込まれた謎のプログラマー・鹿敷堂桂馬に苛つきながらも、次第に彼に頼ることを覚えていく。無事に事件は解決出来るのか?果たして、裕美の甘え下手は治るのか?2019/01/01