創元SF文庫<br> 霧に橋を架ける

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創元SF文庫
霧に橋を架ける

  • ISBN:9784488764012

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内容説明

人間を寄せつけない“霧”の大河に初めての橋を架けようとする人々の苦闘と絆を描き、ヒューゴー賞とネビュラ賞をダブル受賞した表題作。宇宙で遭難した女性と、圧倒的に異質な相手の邂逅を描く、ネビュラ賞受賞の衝撃作「スパー」。消失と再出現を繰り返す猿たちのサーカスとともに旅する女性が出合う奇跡を描いた、世界幻想文学大賞受賞中編「26モンキーズ、そして時の裂け目」。現代SF界きっての短編の名手が、孤独を抱えたものたちの不可思議な出会いとふれあい、そして別れを鮮やかに描く。数々の賞に輝く傑作11編を収めた幻想SF短編集。/解説=橋本輝幸

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

30
面白かったです。SFですが、ファンタジー感もある世界でした。「霧に橋を架ける」での、霧や「でかいの」の不穏さと、橋を架ける事業の…なんと表現したらいいのか、漂う無常感を感じました。橋が完成した後の世界がより良くなるとあまり思えなかったからかな。。でも1番好きなお話でした。「蜜蜂の川の流れる先で」「《変化》後のノースパークで犬たちが進化させるトリックスターの物語」は犬好きにはちょっと辛いものがありました。でも不思議で良かったです。他の作品も読んでみたいです。2017/02/19

ヒダン

24
幻想的な短編集で自分の中でSFのイメージが広がった。雄大な情景が脳裏にパッと浮かび、そしてそれだけで楽しい。表題作はプロジェクトが進むにつれて濃くなっていく無常観が印象的だった。ただ諦めているのではなくて、それでも生きていくのだという仄かに前向きな無常観が。「26モンキーズ...」、「蜜蜂の川の流れる先で」もとても楽しめる作品だった。「ストーリー・キット」、「《変化》後の...」はいつか再読するときには受け止めて味わえるようになりたい。2017/01/05

ニミッツクラス

20
16年の税抜1060円の初版。先発14年に同社の海外SF叢書として刊行済。11編収録でアワード作品は10年以降の本邦SFMに掲載された。著者は60年生まれで28歳でデビュー…自分とほぼ同世代だが、知らなかったなぁ。巻頭の「26モンキーズ…」は何の解決もないがオトシかたがきれい(ちなみに「12モンキーズ」はEハンド)。表題作は120頁の中編でH/NのWクラウンなのだけど…これ、SFかどうかはともかくとして何が受賞に値するのかなぁ? 「蜜蜂の川の…」(蜂蜜の川のではない!)の方が幻想郷愁的で良い。★★★★☆☆2019/03/26

shamrock

20
面白かった。基本、電車内で読んでたんだが、電車内にもかかわらず三回泣いた。「26モンキーズ」「蜂の川」、表題作がお気に入り。印象的な情景描写がとてもいい作家さんだ。もっとよみたい。2016/11/27

🐾ドライ🐾

14
SFと幻想の短編11編。 川ではなく霧が流れる場所で紡がれる表題作。静かに不気味に佇む「霧」、飲み込まれるように落ちてしまえば二度と見つけられない。渡し舟を家業とする者、橋を架ける者。彼らの関係性が微妙に変化する間も「霧」は変わることなく静かなままでそこにある… 現実世界と似て非なるところが散見される世界観。掴めそうで逃げていくような捉えどころのない感覚。幻想文学の本質はそんなところにあるように思う。それが色濃く感じ取れるのが表題作のみだったのが少し残念。2023/08/31

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