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内容説明
水中考古学とは、水面下の遺跡や沈没船を対象とする考古学の一分野である。これまで、欧米の研究チームがクレオパトラ宮殿やタイタニック号を発見し、中国・韓国も国を挙げて沈船調査に取り組んでいる。日本でも、長崎の元寇船調査を中心に、国内の体制が徐々に整えられつつある。著者自身、千葉県沖に眠る幻の黒船を発見し、今も調査を続けている。本書では、自身の体験も織り交ぜながら、探検と研究の現場に迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Nobu A
26
井上たかひこ著書初読。15年刊行。元々図書館で借りてきた本書だが、読み始めてアマゾンで即購入。手元に残し重要箇所にマーカーを引きたかったから。考古学と歴史学の違いを考えたら前者が陸と海に細分化されるのは当然。興味の扉を見事に開いてくれた一冊。海中の浪漫を禁じ得ない。他方、陸とは違い、水面下の遺跡や沈没船の発掘及び保存には天文学的数字の資金が必要。資金調達に困難を極めるだろうが、海に囲まれた日本には眠っている宝が沢山あるはず。筆者のような研究者やダイバー等の協力者が増え、研究が進展することを期待したい。2024/08/15
組織液
15
日本ではまだ馴染みのない「水中考古学」に親しんでもらうためか、新書の割にはエッセイっぽい文体でこれはこれでとても読んでて楽しかったです。当然海の底にあるものを見つけて調査し、引き上げる作業はかなり大変そうでしたが、引き揚げた後の保存作業も結構難しいんですね… 日本は島国なのでもっと普及してほしいです。2021/09/02
鮭
15
水中考古学という日本では未開拓の分野を論じた一冊。発掘より、保存の方が大変ということに驚き。あれだけ莫大な投資が必要なら日本でこの手の歴史事業が進まないのも納得。海には人類の遺産と数多のロマンが未だに手つかずのままで眠っている。2016/07/17
オオトリちゃん
12
ありったけの夢をかき集め、捜し物を探しに行きたい所だが、世はまさにどん底大後悔時代!まぁ待て諸君、そこに座って少し落ち着きたまえ。航海も出来ず、色々後悔するばかりのこんな時代でも絶望するのはまだ早い。世界は夢とロマンに満ち溢れているのだよ。そこだ。まだ海の底があるではないか。人間、一度は深く潜ってみるべきだと思うのだ。潜るという行為は永遠のロマンだ。海の深さは人生の深さであり、偉大で壮大な歴史の物語である。さぁ潜考しよう、ひたすら潜行し続けその先にある世界の様々な秘密を探しに行こう。水中考古学の始まりだ。2016/01/14
六点
10
トレジャーハンターが沈没船を発見し色々あって巨万の富を手にする…という、陳腐な冒険譚ではなく、考古学の一分野としては新しい「水中考古学」を、新安の沈船や鷹島の元寇沈船、エルトゥールル号や水没したアレキサンドリア市街などのトピックで紹介している。費用が地上の発掘と異なり、水中がフィールドとなるためやたらかさみそれをどうにか・・・的な問題がそこここに顔を出していて、まるで、日本考古学草創期を彷彿とさせるものがある。著者の「水中考古学を日本に根づかせたい」という熱意が感じられて、あっという間に読み終えてしまった2016/03/15




