内容説明
水中考古学とは、水面下の遺跡や沈没船を対象とする考古学の一分野である。これまで、欧米の研究チームがクレオパトラ宮殿やタイタニック号を発見し、中国・韓国も国を挙げて沈船調査に取り組んでいる。日本でも、長崎の元寇船調査を中心に、国内の体制が徐々に整えられつつある。著者自身、千葉県沖に眠る幻の黒船を発見し、今も調査を続けている。本書では、自身の体験も織り交ぜながら、探検と研究の現場に迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
翔(かける)
28
水中考古学の入門書のような本です。著者の実体験が少なく、ちょっと残念。幸運にも別の水中考古学者に話を聞く機会があったのですが、現場にずっと出続けている学者の方が稀なのだそうです。タイタニックを見に行くツアーには心惹かれました。ツアーのスケールが桁違い!…金額も桁違いだけど(笑)。2019/04/07
Nobu A
25
井上たかひこ著書初読。15年刊行。元々図書館で借りてきた本書だが、読み始めてアマゾンで即購入。手元に残し重要箇所にマーカーを引きたかったから。考古学と歴史学の違いを考えたら前者が陸と海に細分化されるのは当然。興味の扉を見事に開いてくれた一冊。海中の浪漫を禁じ得ない。他方、陸とは違い、水面下の遺跡や沈没船の発掘及び保存には天文学的数字の資金が必要。資金調達に困難を極めるだろうが、海に囲まれた日本には眠っている宝が沢山あるはず。筆者のような研究者やダイバー等の協力者が増え、研究が進展することを期待したい。2024/08/15
クサバナリスト
19
NHK 『視点論点』で著者を知り本書を読んだ。水揚げされた船の保存方法などは興味深かった。蒙古襲来の『てつはう』も現物を実証できたのはごく最近のことだったことを知った。また、水中考古学は、学問として確立されたのはここ数年のことらしく更なる大きな発見が期待される。2016/02/20
組織液
15
日本ではまだ馴染みのない「水中考古学」に親しんでもらうためか、新書の割にはエッセイっぽい文体でこれはこれでとても読んでて楽しかったです。当然海の底にあるものを見つけて調査し、引き上げる作業はかなり大変そうでしたが、引き揚げた後の保存作業も結構難しいんですね… 日本は島国なのでもっと普及してほしいです。2021/09/02
鮭
15
水中考古学という日本では未開拓の分野を論じた一冊。発掘より、保存の方が大変ということに驚き。あれだけ莫大な投資が必要なら日本でこの手の歴史事業が進まないのも納得。海には人類の遺産と数多のロマンが未だに手つかずのままで眠っている。2016/07/17
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