内容説明
批評とユーモアが全方位に炸裂する当代一のことばの使い手・金井美恵子。DJポリスから、佐村河内、戦争画まで、世の言説への痛烈な一撃!「一冊の本」の人気連載、待望の書籍化!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
60
長編小説「文章教室」に感心し同著者の本を探していると、朝日出版社から長期に渡って出していた連載エッセイがなぜか平凡社から出ていることに気がつく。大人の事情の様子。借りて読む。2013年ごろの著者が気になる世の中の言説を考察。DJポリスや知の巨人、裸の王様、佐村河内事件、100人の村。ひたすらにいじられる高橋源一郎。ただまあ、朝日出版社の一冊読んで思ったときと同じで、悪口芸というは難しいなという印象。抜群に頭のいい著者なのはわかる。今のところ味方だが敵に回ると恐ろしい職場の人物の発言を拝聴しているようだ。 2017/05/25
阿部義彦
19
図書館本。2016年刊、平凡社。金井美恵子さんの本、中公文庫の猫エッセイ(購入)に続いて2冊目です。こちらは朝日新聞出版の雑誌『一冊の本』に連載されていたエッセイと言うかどっちかと言うと「メディア時評」に近いかなという感じで、当時の事件、イベント(佐村河内守や本屋の減少、東京オリンピック等)を肴に自分の意見をあれこれと一方的に述べている感じです。真面目過ぎて息苦しいくらい、もう少しユーモアが欲しいと正直思いました。成程論争も起きる訳ですね。次は小説を読まねば!でも見つかりにくいのです。恐れられる理由が判明2023/06/17
踊る猫
15
非常に面白く読み、笑い、そしてまた同時に何処か後ろめたいものを感じた。些細な言葉遣いの中にあるある種の乱暴さというか幼稚さ、もしくは知ったかぶっているだけでソースに当たっていない無知。そういったものの恥ずかしげもない露呈……本書で嗤われているそうしたプロフェッショナルな書き手の文章を、しかし私たちも鵜呑みにして読み飛ばしていないだろうかと思ってしまったのだ……とまあ、こんな「感想」さえも金井氏からすれば「愚鈍」な発想なのかな、と思われると言葉が出なくなる。人を語らせる本は数多とあるが、黙らせる本はそうない2016/06/02
モリータ
14
昨日の散歩中、三宮のジュンクで買う。以前手に取ったのと同じ面陳列で数冊残っていた。「書店の書棚と男性作家と女性作家別に並べてあることより、自分の本が平積みになっているかどうかの方が気になるという女性作家(※川上未映子)とは無関係な少発行部数の文庫である、読書人のための渋くささやかな(※講談社)文芸文庫は、平積みされてカヴァーをむき出しにして売られるのではないから、それを購入する場合、背を見ることになり、どう突飛にタイトル文字がデザインされていても、まったく気にならないわけである」という箇所が一番痛快。2016/07/03
チェアー
12
その時おりの社会事象や評論への辛口のことば。読んでいて筆者の立ち位置がよくわからなず、もどかしかった。つまり、何を表現しても批判の対象になっているような感じ。時代そのものを批判している、ということなんだろうか。しかし、自らの位置を明らかにしなければ、安全地帯からの批判にも等しい。私はその立場には立ちたくない。うーん。続けて読むとはならないな。2016/08/07
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