内容説明
90年代初頭、伝説の連載「週刊オカザキ・ジャーナル」。バブルの虚無と転換期を描いた傑作エッセイ集。解説=古市憲寿。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ndj.
15
91年~93年あたりの書き物。80年代に対して「終わってゆく」ことへの「キタイとキボウの時代」といい、90年代を「泣きたくても泣けない」時代だという。ここに蔓延している、終わりたくても終われなかった80年代の悪しき亡霊たちがオウム真理教事件になだれ込んでいくように読めて仕方がない。などとしかつめらしい読み方をしなくてもうわー、ほんと、ひどい時代だったね、だけど楽しかったよね、で、いいのかな。2017/02/15
RYOyan
11
ヘルタースケルターの世界観って結構懐かしいのに現在の感じなんだよなぁと思ったら、これを読んで納得。あの頃、ちょっと変だよな!?って思ってたことが、すっかり当たり前になった今、相変わらず僕たちは、生き残るために節操もないことを発明し続ける世の中に生きている。2015/12/19
エリナ松岡
10
『朝日ジャーナル』連載のものと『広告批評』連載のものと半々です。前半はちょっと雑誌とミスマッチな感じがしました。まあ所々に本人も少しこぼしてますが… 後半は雑誌のスタンスなのか、そういう時代だったのか、軽薄な感じがして最初はあんまり気が乗らないかんじでしたが、本人の得意分野のトピックが多いのと、相方の大学の先生と交互に書いていることもあり面白かったです。2020/07/05
nizimasu
9
4月に「岡崎京子展」に行ったらその濃厚な80年代後半から90年代前半の空気感がそのまま残されていてものすごい不思議な感覚が残った。あの時代はナンだったんだろう。特にリバースエッジのあの虚無感と今の時代が地繋がりな感じがしてこのオカザキジャーナルも92年に連載していた朝日ジャーナルの終焉とともに連載も終了するんだけどバブルが一丁あがりになってモノからオカルトや悟り世代の原型のような消費行動が萌芽してきたりするようなことをさりげなく書いていてこの時代感覚に驚くばかり。岡崎京子の時代感覚の鋭敏さは今も心に残る2015/06/21
ま
5
図書館で借りた本。事故でリハビリ中の岡崎京子さんが昔書いたエッセイと往復書簡をまとめたモノ。かなり古い内容のはずが、全然古さを感じないのがすごい!岡崎京子さんは常に時代の先を行っていたのは、そのマンガからもわかる。いつか、新作が読みたい。★★★☆☆2016/05/30