講談社文芸文庫<br> 寺田寅彦セレクション1

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講談社文芸文庫
寺田寅彦セレクション1

  • ISBN:9784062902991

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内容説明

「天災は忘れた頃にやってくる」など、後世に今も残る数々の言葉を生み、物理学者として世界的な業績をあげた寺田寅彦は夏目漱石の高弟として、透徹した観察眼で散文詩的美しさを湛えた文章を物し、科学と芸術の融合を果たした。本巻には『冬彦集』『藪柑子集』『万華鏡』『続冬彦集』から、内田百間に「昭和年代の随筆として後生に遺る第一のもの」と言わしめた、随筆家の真骨頂を示す名品を厳選収録する。

目次

『冬彦集』(大正一二年一月二五日刊)より
『藪柑子集』(大正一二年二月五日刊)より
『万華鏡』(昭和四年四月一〇日刊)より
『続冬彦集』(昭和七年六月二五日刊)より
解説  千葉俊二
年譜  永橋禎子

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

くみ

18
静かに真面目に書いてあるのに時に妙に可笑しかったり、しみじみしたりしました。最初の奥さんとの思い出「団栗」はとても心に残ります。猫の話、病院の早朝の話。何だか目の前に執筆してる寺田寅彦がいるようでした。満員電車の確率計算や流言伝播を物理的に解析など、すごい面白い。そして「途中でやめた本の一節からも自分にとって大事なものがあればそれでいい」とか、すごく共感しました。物理を志したきっかけがや勉強のモチベーションが意外なところからもこの方のシナジー力を感じる。図書館の片隅にて何か呼ばれたようで初めての寺田寅彦。2019/10/06

みかん

15
【図書館】以前、岩波文庫版の随筆集を読んだことがあったが、図書館の新着図書で講談社文芸文庫版のを見つけて懐かしくなって借りてみた。科学と芸術の二つの眼を持った稀有な人、寺田寅彦による珠玉の随筆集。科学や身近なことに対して深遠な考察に満ち、さらには美しい風景描写もあって、一読だけではもったいないし、いつかは購入して手元に置いておきたい作品集だ。セレクション2も出るようなので、いずれ読んでみたい。2016/04/12

春ドーナツ

8
図書館が開くまで7分ほど立ち読みしていた。右の人差し指二か所を蚊に刺された。読んでいたのは本書だった。そもそもなぜ私は寺田さんの本を読もうとしたのか記憶がない。痒いせいで思い出せないのかも知れない。ちなみに件の蚊は成敗した。ピチャッと手の平に私の血が広がった。あまり血色は良くなかった。2017/07/18

エジー@中小企業診断士

4
物理学者、随筆家、俳人。享年58歳。熊本の第五高等学校で夏目漱石に英語を学ぶ。漱石の高弟で散文詩的な美しさを湛える文筆家。本セレクションでは『冬彦集』から自画像、蓄音機。『藪柑子集』からは団栗、竜舌蘭、花物語。『万華鏡』からは科学者と芸術家、電車の混雑について、化物の進化。『続冬彦集』からは子猫、備忘録、「手首」の問題が味わい深い。金米糖のツノからフラクチュエーション、さらにはこの統計的異同の研究が生命の起源にまで到達し得るとするアナロジカルな発想に畏れ入る。理系脳で観察し、文学的詩的に言語化する名文。2024/02/19

gorgeanalogue

4
はじめて電子書籍を完読。1冊目が寺田寅彦というのもなんとなく因縁めいているような。「自分」が出たり引っ込んだり。当たり前だが、「ホトトギス」の体質が色濃い。2018/04/08

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