内容説明
北原白秋らと「パンの会」を組織し、小説家、劇作家、美術家、キリシタン史研究家として活躍した耽美派の詩人は、医師としてハンセン病根絶に尽力した智と義の人でもあった。三島由紀夫が「いちばん美しい紀行文」と称した「クウバ紀行」、加藤周一が鴎外以後、荷風と共に「高雅な余韻」を伝えると評する史伝(「森鴎外」)他を収録。広い教養と思惟の深さを具えた巨人が遺した散文の精髄。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yuma6287
3
隠れた名作。豊富な語彙と豊かな想像力が織り成す文章は圧巻。とりわけ風景描写は緻密で美しい。私のお気に入りの紀行文はクウバ紀行。洋画を連想させる風景描写が良い。語彙力も鍛えられるのでオススメです。2019/11/21
無意味への献身
0
期待したほど面白くはなし。文体がエスプレッソのようで、鴎外なんかが好きな人は堪能できるだろうが、散文的な私にはやや苦痛。「すかんぽ」は読みたかったので一読できて良かった。博物学的知識と回想が交互に綴られ、今これを書いている木下杢太郎と太田正雄少年の面影が交差する感覚がいい。三島由紀夫が絶賛した「クウバ紀行」は異国情緒がぷんぷん漂うようで、一読の価値あり。ちなみに「クウバ」はキューバのことです。
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