内容説明
私たちはなぜここにいるのだろうか? 宇宙は人類のために誕生したのではなく、たまたま地球がヒトの生存に適していただけなのだ。人間を中心とした地球史観を排し、宇宙創成のビッグバンから地球の誕生、そして生命が生まれ進化していく様を、生物と無生物の両方の歴史を織り交ぜながらコンパクトに描いた初めての試み。 ※新潮選書に掲載の写真・図版の一部は、電子版には収録しておりません。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まーくん
91
宇宙の誕生から太陽系・地球の生成。生命の発生からヒトの出現に至る進化の過程。壮大なドラマをじっくり味わえた。地球科学から生命科学までの広い範囲の事象について読み解く知識量に感嘆。新鮮な切り口でわかり易く解説。ユーモアに富むたとえ話も楽しい。何しろ第1章の出だしが「山口百恵という・・・」と始まるのだから。100億年存在できる地球と、50億年生きられる地球の生命の話し。(地球誕生から既に45.5億年、生命誕生から40億年経過してる!)内容充実、地球と生物に関する記述が偏っておらず、一体として知ることができる。2019/08/26
カレイ.シュウ
60
宇宙の誕生から、地球の成りたち、生命の誕生進化を系統的に見ていく本です。生物学者さんなのですが、必要な知識を分かりやすく説明してくれているので面白く読めます。ただ完全な入門書ではないので、他の入門書を読んでからの方がいいかもしれません。2019/02/19
里愛乍
36
人類が滅んだとしても、生命の進化は続いていく。宇宙は人類のために誕生したのではない。そんな視点から切りこまれた「地球」と「地球の生命」についての本。視点が人間でないため、読み口は非常に新鮮。確かに地球は宇宙は、人類を生かすためだけに存在してはいない。自然災害も大量絶滅も人類が滅亡しても、神の怒りでもなんでもない。地球が宇宙がただ、そうしてそう在るだけだ。私だって、今ここで生きている期間だけ地球に存続し、宇宙に関心を寄せているに過ぎないのであろう。だとしたらお互いさまかもね。2018/03/24
玖良やまだ
22
宇宙が始まりそして終わる、終わらない。諸説あります。まず、時間・空間が存在します。すべてに言えることは、熱力学第2法則「エントロピー」です。すべてが無秩序に向かう。仏教学の「無常」です。では、「生きる」ということはどういうことか?エントロピーの逆、なんとかしたい。食う。他を犠牲にする。「ネゲントロピー」と言います。他の犠牲を最小限にして生きていこう。大切なことです。2019/05/23
はまななゆみ
19
宇宙という数十億年の時間軸で考えれば人間の存在は一瞬。あと数十億年で地球も太陽もなくなるという。当然、人間も。そうなっても宇宙は何ごとも無かったのごとく存在するという。いかに、今、生きているということが幸せということなのかもしれませんね。2016/04/20