内容説明
趣味には理解者が必要だが、理解者に振り回されてはいけない。なぜなら趣味は、あくまでも個人的で我儘なものだからだ。この本は、啓蒙本でも入門書でもない。飛行機模型や庭園鉄道をはじめ、多くの楽しみを知る著者が、韜晦(とうかい)も含めて記す優雅な趣味の日常と思考。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いずむ
23
あるべき形、向くべき方向、いるべき範囲。"らしさ"とか"ジャンル"とか、あるいは他人の価値観とか。そんな"不自由"を享受することで得られるものって何だろう。森センセの言葉を借りるならば、『趣味≒研究』。目隠しや足枷をしていては、辿り着けるのはスケールの小さい世界だけ。しかし、そこに正誤優劣の議論が生じ得ないからこそ、どうせ身を置くならボクは柵や手綱のない、どこまでも行ける世界がいいと思う。ボクにとって趣味とは「自分という世界で、唯一無秩序を許された世界」。『こだわらないことにこだわ』りたいと、ボクも思う。2013/10/21
めり
17
森博嗣の趣味って凄い。読んでて楽しそうなのが伝わってくる。そしてエッセイでもぶれないところ、大好きです。「楽しそうなことをしているときの姿は、遠目に見ていても楽しいものだ。自分の好きなことをしていると、誰でも自然に笑顔になる。みんながこの笑顔になれることが、すなわち家族の和ではないだろうか。無理に、全員で同じ行動をとる必要なんて全然ない。その点に早く気づいてほしい。」2017/11/18
akira
16
Vシリーズ幕間。 正直、小説よりエッセイの方が好きかも。 全編カラーで写真が楽しい。読むというより眺める本。 森作品は、その雰囲気から飛行機などは淡目の色のものを想像するが、実際に森家にあるのは鮮色でベタ塗りのものが多い。その方が好きらしい。 写真中心の本だが、文章はやはり森博嗣。何気ない一言にも深みがある。 「子供には、最初から一流のものを与えるべきであって、子供向けに簡略化され、毒が抜かれ、棘が取り除かれたおもちゃは、その一時だけ子供の目を引いても、彼らの人生には影響を与えない。」 2013/04/16
Yuri
10
タイトル通り、悠悠なおもちゃに囲まれた生活の一端を垣間見る。お洒落な写真とエッセイ。 他作品のエッセイでガレージや庭園鉄道の建設過程を読んでいたので、写真で補完出来た感じです。2020/08/01
エヌ氏の部屋でノックの音が・・・
9
「ひっそりと森シリーズ」第33弾であった。。。2007年 7月13日 初版。。。割とおもちゃ好きなのは聞いていたが、一番うらやましいのは庭園鉄道であった。私しも庭園鉄道で『シロクニ』や『デゴイチ』など日本の列車を走らせて見たいと思っているが、到底現実には及ばない。2018/04/26