内容説明
転勤族の息子だったシゲマツが、北海道から上海、南極まで、単身赴任の仲間20人をルポルタージュ。「単身赴任について考えることは、そのひとにとっての幸せのかたちを探ること」と言う著者が、彼らを訪ね歩いた結果、見えてきた「仕事」と「家族」と「自分」の新しい関係とは?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
374
重松清氏が12人の単身赴任サラリーマンに密着したルポルタージュ。残念ながら、私たち読者が重松清氏に期待する、いつものかそけき悲哀感とほのかなペーソスをここでは感じることができなかった。新聞社の社会部の記者によるものとの違いは知名度くらいかと思ってしまう。「事実は小説よりも奇なり」というけれど、やはり小説が仮構する世界の説得力は並大抵のものではないことが逆にわかるような次第。なお、単身赴任にあたる英語はないそうだ。そりゃあ、アメリカなんかだと即刻離婚訴訟だろうなと思う。事実は悲哀(ばかりではないのだが)。2018/12/01
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
71
サラリーマンの宿命とも言える単身赴任。転勤者の五人に一人が単身赴任だそうだ。私のいる職場も私を含めて単身赴任者が多い。小説ではなく15名の単身赴任者へのインタビュー。年齢も職業も様々、中には伊豆諸島の孤島や、南極に単身赴任なんて人もいる。皆さん頑張っているなあ。家族と別れた生活は確かに寂しいがそれぞれ工夫し、前向きに独り暮らしを「楽しんで」いる。確かにそうでもしないとやってられないよなぁ。面白く読めましたが、切り口に重松さんらしさは感じられなかった。「NHK取材班」が著者と書いてあっても違和感無し。★★2015/12/07
ジュール リブレ
64
少し前の本なので(2003年)まだ働き方改革なんて言葉がなくて、まだまだ昭和の香りが色濃く残っていた頃、サラリーマンには単身赴任は普通だった。出てくるのは皆オヤジたち。それから20年近く。何がどう変わったのだろう。女性の社会進出で単身赴任も出てきたし、在宅勤務、リモート勤務で転勤廃止なんて声も聞こえる。この先10年、20年、何がどう変わって行くのかな。 2020/10/06
ちゃんみー
55
確かThunderbirdさんが読んでたので、内容が気になって読んでみました。まぁ一言でいえば単身赴任って辛いだろうなってこと。学生の延長で一人暮らしならなんにも気にならないんでしょうが、いったん家族の中に入ってしまうと男一人で生活するのって大変で寂しくてと思うんです。高度成長期には元気はつらつで単身生活してた人もいるんでしょうが、私には耐えられないと思います。それと女性の単身赴任ってあんまり聞かないけど、女性だと旦那は行かせてあげるんでしょうかねぇ。作中に一人いましたが。2016/05/16
Walhalla
24
重松清さんの作品でこのタイトルとくれば、涙腺崩壊は必至かなと思っていましたが、ルポ作品でした。 少々、期待とは異なりましたが、ニッポンのサラリーマンの「宿命?」とも言える単身赴任について、色んな角度から切り込んでいました。 家族とのあり方って、本当に様々あるのですね。 札幌に赴任されている方のお話しが、とても印象深かったです。2017/05/30
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