内容説明
悪いがこの本に粗筋なんてない。これは小説ではないからだ。だから起承転結やサプライズ、気の利いた落ちを求められても、きっとその期待には応えられない。これは昔の話であり、過去の話であり、終わった話だ。記憶もあやふやな10年前の話であり、どんな未来にも繋がっていない。いずれにしても娯楽としてはお勧めできないわけだが、ただしそれでも、ひとつだけ言えることがある。僕はこの本を書くのに、10年かかった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
87
不思議で不気味な雰囲気が漂っていました。淡々と進む中で感じられる歪みに引き込まれます。小学生に監禁された大学生。その一時の関わりは嘘とわかっていながらも、嘘とは言い切れない感情に襲われました。面白かったです。2018/01/29
hnzwd
53
三十路の作者がなぜ小説を書けるのか、、という独白の形をとりながら、その原因となった、誘拐犯の少女と監禁された主人公のストックホルム症候群を描いた一作。ラストは素敵なの?セカンドステージ開始ならちょっと怖くて素敵ですが、、全体的にはハッピーエンドな感じなんでしょう。2016/10/06
ソラ
35
これはもちろんお話ではあるけれど西尾維新自身をかなり反映させている作品だと言える内容。この作品の中で起こる事件や内容については冗長かなと思える節もあるけれど、何となく最後まで読まされる作品だった。2015/11/29
Yobata
32
文庫化再読。友達の死よりゲームを優先する異常な少女…その本性を垣間見てしまった大学生が少女に誘拐される話。友達の死を前にしても決めた行動を止めないという異常性を持ち、それを知った大学生という年上すら誘拐するという行動力は西尾作品らしいキャラクターだよね。しかし西尾維新が10年かけて書いたというこの作品は、西尾維新の10年間が詰まった実話じみた作りになってるよねw最終的には少女が起こした事件は発覚するも、最良ではなくても最善ではあった終わり方だったんじゃないかな?まぁこんな終わり方も西尾作品らしいかな。2015/11/12
土瀝青
25
私にも、「この本のおかげで今の私がある」と心の底から思える本が存在します。この本が、誰かのそういう存在になるといいなと思うようなお話でした。最初のほうでは、けっこう、おおおお? という感じでしたけれども。西尾先生の本は、2冊目です。前作は途中で挫折したままですが、いつか最後まで読もうと思っています。文庫で購入しましたが、カバー、帯とも、ゴージャスで、しっかりしたつくり。傷をつけないようにと、気を使いすぎて、読みづらいワと思っちゃいました。大切に読むには、いい作戦ということでしょうか。2015/12/04
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