内容説明
なぜあいつが役員に?なぜあの男が社長なんだ?人事がおかしくなるとき、会社もおかしくなる。巨艦パナソニックの凋落の原因も、実は人事抗争にあった。会社の命運を握るトップ人事は、なぜねじ曲げられたのか。誰がどう間違えたのか。元役員たちの実名証言によって、名門・松下電器の裏面史がいま明らかになる!上司の出世争いに辟易するサラリーマン必読です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hatayan
37
パナソニックの不振の原因をトップ人事の迷走に求めた作品。 創業者の松下幸之助は娘婿の正治が経営者の器ではないと早くから見切るも、妻と娘に遠慮して自ら引導を渡せなかったことが災いし、創業家の顔色を機敏に伺う「プロのサラリーマン」が歴代の社長に。経営の発想は内向きとなり、米国のメディア企業の買収、プラズマテレビの販売で潮目を見誤ってしまいます。人事が実力ではなく創業家の好き嫌いで決まり、理不尽を前に有望なアイデアは摘まれ閉塞した空気が蔓延する。大企業であっても例外でなかったことをどう考えるべきなのでしょうか。2019/06/09
Porco
15
森下洋一社長がとりわけ問題だったように感じました。2019/10/28
プレイン
14
パナソニックの社長人事に焦点を当て会社の没落を描いたノンフィクション。松下幸之助の後にここまで人望のない社長がトップを努めていたのなら業績低迷もさもありなん…会社員なら必読でしょう。けど、社長だけで業績が決まるわけではないからその辺は差し引いたほうがいいかも…それにしても松下にとってUSJやハリウッドを失ったことは悔いても悔やみ切れないだろうなあ…2016/05/15
nishiyan
13
松下幸之助没後に迷走した松下電器産業の歴史を人事を切り口に紐解いたルポルタージュ。松下幸之助が現役の頃からどこか物足りなく存在感の薄かった女婿・正治。彼を排除することを遺言として遺すも、歴代の社長たちは引導を渡すことができず、忖度と迷走をしていく様は見ていて驚いた。これは松下幸之助が松下電器産業を経営する上で宗教的なやり方を取り入れたからである。トップは絶対であり、その命令の元に社員が動くという人治主義的な会社であったことがそもそもの間違いであったのだろう。情実も過ぎると会社を滅ぼす好例といえる。2019/07/08
ハッピー
10
うちの一番の得意先パナソニックの創業者松下幸之助以降のトップ人事について書かれた1冊.うちみたいな中小企業は上の好き嫌いで人事が決まるのを実感しているが,パナソニックみたいな大企業でもトップになるには実力だけでなく派閥や上との関係といったことが左右するんだなと思いました.パナソニックの歴史を知ることができて,興味深く読めました.2016/06/27