内容説明
死にかけた「小説」を、この男が救うのか――?売れない作家が立ち上げた文芸誌の行方は……表題作他3編を収録。類まれなユーモア、身体性、言語感覚を併せ持つ不世出の奇才による傑作選。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょき
41
作者のお遊び?やおら脳内に浮かんだ言葉や物語を作家の力量だけで小説に仕立たような挑戦的な作品。ちょっと文字遊びが過ぎる。一応、月刊誌を任された小説家が交通事故に合う親子に遭遇しその模様を雑誌内に記載したところ家族から訴えられ慰謝料を払い月刊誌は創刊号で終了となったが最後のファンレターをもらいその島根のファンに合いにいったら実は福岡(八女)の住人で着いたらまたまた引っ越しており徒歩で合いに行くというどうでも良い物語がおまけ的に(笑)付いている。落語を聞いてるような心地よさあり。他3編あり、こちらも秀作。2017/01/26
乱読999+α
5
初、松波太郎氏。日本文学の現状についての不満、不平、不安、やるせなさ、憤り等をパロディとして、入れ子の形式をもって風刺、批判している。前半は出版業界の純文学に対する扱い、裏話、その純文学と大衆文学との相違等を面白く、ニヤニヤしながら読み進めた。特に冒頭の導入は秀逸。だが、#16になってしまうと???のオンパレード。これってここまで引っ張る必要はあるの?って。これが正直な感想。表題作よりも短編2作がシュールで面白かった。2016/08/22
そうたそ
3
★★☆☆☆2016/12/15
#05
3
『月刊「小説」』はどくどくの世界観。その後の方が読みやすいしなんか惹かれる世界観。2016/08/10
rackin
3
表紙に惹かれて購入。四編ともそれぞれ素晴らしい。小説について考えさせられもする一冊。一つの達成だと思う。この作家の他の作品も読んでみる2016/08/03