文学の扉<br> ベランダに手をふって

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文学の扉
ベランダに手をふって

  • 著者名:葉山エミ【著・作】
  • 価格 ¥1,265(本体¥1,150)
  • 講談社(2021/01発売)
  • 盛夏を彩る!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~7/27)
  • ポイント 330pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065220511

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内容説明

父親が亡くなってから、毎朝登校するときに母親と手をふり合うのが日課になっている輝(ひかる)。そんな朝の「決まり」を同級生に見られからかわれる原因になる。輝は、そろそろ手をふり合うのを卒業したいという想いと母親を傷つけたくないという想いのはざまで葛藤する。時を同じくして、輝は、同じく父親を事故で亡くした同級生の田村香帆(たむらかほ)とよく話すようになる。香帆は母親と二人で再出発するために、運動会で行われる保護者との二人三脚競争に強い想いをかけていたが……。

第22回ちゅうでん児童文学賞」大賞受賞作品。(選考委員:斉藤洋、富安陽子、鷲田清一の各氏)

日常的な、そして、おとなになってからは、それをいつやめたか覚えていないような習慣、それを象徴的にとらえた、少年の半年間の成長記。こんなにじょうずに日常を描ける新人作家がいるだろうか。──斉藤 洋

この年頃の子ども達ならではの微妙な心の動きや振舞がとても自然で、この作者は子どもをよく知っている人なのだなと嬉しくなります。本物の子どもを描ける人なのです。──富安陽子

全篇に漂うのは、人がたがいにいたわりあうその思い。ふとした仕草や表情の向こうに思いをはせる、そういう心のたなびきが温い。が、いつもすっと相手に届くものでもない。シャボン玉のように宙でつぶれ、どこかに消え失せもする。そういう切なさが、温みとないまぜになって描かれているところが、この作品のいちばんの魅力だ。――鷲田清一

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆみねこ

97
とても良い本、読み友さんの感想から手にした1冊。 朝登校する小5の輝は、団地の5階のベランダから母に手をふって見送ってもらっていたが同級生の男子に見られてマザコンとからかわれるようになる。手をふって挨拶を交わすことをおかしくないと言ってくれた同級生の香帆。思春期の入り口の少年の気持ちと成長が描かれ爽やかな感動!何度も目頭が熱くなった。葉山エミさん初読み。2021/09/01

はる

74
良かったです。幼い頃に父親を亡くした小学5年の男の子が主人公。毎朝登校する時に母親と手を振り合うことで絆を確かめていた。だが、ある朝友達からそれをからかわれて…。そんな時、父親を亡くしたばかりの少女と交流を深めるようになる…。これがデビュー作ということですが、男の子の心の揺れが繊細に描かれているし、構成も巧みで面白かったです。少女との淡く清らかなやりとりがほのぼのとしてとてもいい。ラストも爽やかでした。ちゅうでん児童文学賞の大賞作。2021/03/31

ぶんこ

60
とても良い本でした。悲しい物語ではないのに、何度も涙がこぼれてしう。小学校入学前に父が病死。学校に行きたくない輝を、毎朝ベランダから見送ってくれる母。その輝も5年生になり、同級生にマザコンとからかわれる。へこんでいた輝に、おかしくないと言ってくれたのは同級生の香帆。香帆も父を事故で亡くしたばかりだった。輝の母も祖父母も、叔父義叔母も周囲の人が皆温かい。6年生になる前に、母へもう毎朝の見送りはいらないと伝えた日の最後の見送りには胸がジ〜ンとして涙。大きく手を振って大声での「いってらっしゃい」。素敵な親子。2021/08/18

モモ

49
父が亡くなり、母と二人暮らしの輝は、朝ベランダで母に手をふるのが日課。それを同級生にからかわれ逡巡する輝。同じように父を亡くした香帆と親しくなり、お互いに支え合うような関係になる。特別悪い人が現れるわけではなく、優しい感じで話はすすむ。小中学生におすすめな一冊でした。2023/05/04

ベーグルグル (感想、本登録のみ)

44
心温まる素敵なお話でした。小学生の日常の描写がとても素晴らしく、特に心の葛藤が手に取るようにわかりました。主人公の成長が嬉しいような、寂しいような・・・。親目線で読むと寂しさの方が強かったかな。輝とお母さんの朝の儀式が永遠と続いてくれたら嬉しい。リーフレットの書かれた書評と絵も心に残りました。ちゅうでん児童文学賞作品。2022/01/27

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