文春新書<br> 週刊誌記者 近松門左衛門 最新現代語訳で読む「曽根崎心中」「女殺油地獄」

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文春新書
週刊誌記者 近松門左衛門 最新現代語訳で読む「曽根崎心中」「女殺油地獄」

  • 著者名:小野幸惠/鳥越文蔵
  • 価格 ¥815(本体¥741)
  • 文藝春秋(2016/07発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784166610853

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内容説明

「日本のシェイクスピア」とたたえられる近松門左衛門は、週刊誌のエース記者だった!?

心中事件があったと聞けば駕籠で駆けつけ、遺体を見ては、事件の翌週に舞台にかける。
恋、心中、姦通、横領、強盗、殺人……近松の描いたものは、いずれも「俗」の極致。
その「俗」にジャーナリスティックな視線で鋭く切り込み、人間の本質を描くことで、
近松は「俗」を「俗」に終わらせず、文学の高みにまで押し上げた。

町人の恋愛や風俗を描いた人形芝居のため「世話浄瑠璃」、その近松の初作となる『曽根崎心中』。
元禄時代の衝動殺人という衝撃的な事件を扱った『女殺油地獄』。
近松の代表作ふたつを取り上げ、平易な現代語に翻訳。日本人なら読んでおきたい近松作品を味わえる一冊。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yumiko

76
「曽根崎心中」と「女殺油地獄」は文楽、歌舞伎共に人気の演目。どちらも実際の出来事をもとに書かれている(「曽根崎」はなんと心中事件後1ヶ月の早業)ことから、この題名になったよう。義太夫の朗々とした語りも素晴らしく、ひたすら健気で愛らしいお初、気弱さが男の可愛さを感じさせる徳兵衛、人形であることをふと忘れるくらい生々しい感情が伝わってきた初見の舞台を思い出す。「女殺油地獄」は今風に言うなら「坊々ニート金に困って人妻殺害」となるだろうか。300年後の今に通ずる近松の現代性にただ驚くばかりだ。2017/03/16

k5

59
近世文学強化月間②。ほぼ現代語訳が中心でうんちくは少なめですが、両作品ともにはじめて読むので、読みごたえありました。原文にも挑戦してみたいと思います。2022/07/17

きみたけ

58
今年の演奏会向けに近松門左衛門を題材にした合唱曲に取り組んでおり、近松の人物像や作品について予習のために読んでみました。代表作「曽根崎心中」「女殺油地獄」のストーリーと、近松の生い立ちや武士の身分を捨て作劇の道へ進んだ経緯の紹介があり予習にぴったりの一冊でした。当時にぎわせた心中事件を元にした「曽根崎心中」は、週刊誌記者のような近松のフットワークの軽さと天性の文才のなせる技と感じました。北新地のメインストリートがかつての蜆川(しじみがわ)を埋め立てた場所と分かって良かったです。2023/01/03

かふ

18
近松浄瑠璃の最適な入門書だ。江戸の三面記事的な心中事件と殺人事件を浄瑠璃として昇華した。浄瑠璃は仏教的な思想が底にあるから、単に情事である事件ではない。映『曽根崎心中』梶井芽衣子と宇崎竜童の映画で見たが梶井演じる芸者原作のお初は19歳で純真な乙女だった。そして最初に観音めぐりが出てくるほど信心深いのだ。一方、徳兵衛は24歳なんだけど丁稚上がりの世間知らず。だから悪友に簡単に騙される。精神年齢も14歳ぐらいで世間的には芸者であるお初の方が大人だった。2020/04/26

hoiminsakura

13
武士の家に生まれた近松門左衛門は宇治座を興した宇治加賀掾のもとで修業を始めたとされる。宇治座に出ていた竹本義太夫が道頓堀に竹本座を興し、宇治座と対決する。義太夫のために浄瑠璃を描き下ろし、やがて歌舞伎役者坂田藤十郎に乞われて世話物も執筆するが藤十郎が第一線を退いた後竹本義太夫に呼び戻され再出発し、人形浄瑠璃に世話物を導入。時代物「国性爺合戦」は二代目義太夫で大ヒット。。。というような解説と共に「曽根崎心中」「女殺油地獄」の筋書きをたどる。女殺…には殺した後の続きのストーリーがあったんですね!2023/02/17

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