内容説明
島根県松江市のホテルで、画壇の巨匠・月原龍生が失踪。同じころ、出雲大社内で男の肉体の一部が発見される。さらに島根県各地のスサノオを祭る神社から次々と同じ男のバラバラ死体が。鑑識により死体は月原と判明。何故、ヤマタノオロチの如く解体されたのか？ スサノオの意味は？ 探偵・大道寺綸子は、真相を追う！ トリックと神話を見事に融合させた巨編！
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobby
140
大蛇といえば〈ヤマタノオロチ〉、それをなぞる様に島根県内8つの神社で見つかったバラバラ死体。その抜群の序盤から、八岐大蛇・大物主・大国主など出雲と奈良で重なる生物や神の伝承への符号を検証していくのが興味深い。ただ、事件の本筋とはあまり関わらず、個人情報ダダ漏れの時代背景と都合良過ぎる手がかり浮上の展開はご愛嬌(笑)それでも、かなり限られる人物それぞれに鉄壁のアリバイや持ち得る動機を持たせながら、最後に明かされる真相での反転はサスガ！ラスト引用される万葉集和歌の「いにしえも」「うつせみも」が何ともせつない…2021/05/23
ちーたん
95
★★★☆☆【読友さんとの旅🐍】週末に師匠であるnobbyさんと島根県松江市に旅行！出雲大社にGo！「お師匠あれでっかいお供え物ですね〜」「なんか人の腕みたーい笑ｷｬｯｷｬｯ」「え？ちょっ😰？？ギャーー😱」（了）◆巨匠画家がスサノオに縁のある8つの神社でバラバラ死体となって発見される。男の名は月原龍生。ホテルに滞在してた彼は何故ヤマタノオロチの如く八つ裂きに解体されたのか?◆探偵・大道寺綸子シリーズ第一弾。神話になぞらえるミステリは見立て殺人、アリバイトリックなど2時間サスペンスのような仕上がり！2021/05/23
きっしぃ
41
久しぶりに今邑作品。もう新作読めないからね、積んでる２冊も大事に読もう。ヤマタノオロチ伝説のスサノオを祭る神社で見つかったバラバラ死体。バラバラにされた理由と、関係者のアリバイトリック。ヤマタノオロチの話がちょっとくどかったけど、結果的にはあんまり関係なかったな、と。こんなに皆個人情報簡単に教えてくれるなら、探偵は仕事しやすいだろうな(笑)警察は全然役に立ってなかった(笑)2019/07/05
オフィーリア
29
スサノオを祀る神社から次々に発見される、ヤマタノオロチ伝説をなぞるかのようなバラバラ死体という何ともミステリアスな冒頭。地道な聞き取り調査の合間にどんどん横道に逸れながら挿入される日本神話の蘊蓄を楽しみながら読んでいた序盤でしたが、中盤からはヤマタノオロチ伝説の影もどんどん薄くなり…アリバイトリックなど楽しませてくれた部分もありましたが、終わってみれば二時間サスペンスによくありそうなお話でヤマタノオロチ伝説あまり関係無かったなこれという印象でした。2021/06/08
MINA
23
タイトルがちょっと堅苦しい。私は『～殺人事件』という題は手に取るのを躊躇ってしまう。まず、神話を殺人事件に結び付けるって手法は初めてで新鮮だった。神様たちの人物相関図を書いてほしいと本気で思った。犯人は何となく分かったんだけど、動機が恋愛のﾄﾞﾛﾄﾞﾛだったり過去の殺人の隠蔽だったりして残念。絵の才能云々が動機だったら良かったのに。あらゆる意味で月原龍生の自業自得だと思う。芳乃夫人はちょっと尻軽すぎないか？智美は結局一人ぼっちに・・・智美は真相知るべきだと思うなぁ。大道寺綸子探偵のキャラが好きじゃない。2014/02/02
