内容説明
昔の、よき日本人は、人生の最後に当たって歌を遺した。その人の生涯を、短い中に凝縮した珠玉の言葉……それが「辞世の句」である。ある時、浅野内匠頭の詠んだ、「風さそう 花よりも猶 我はまた 春の名残りを いかにとやせん」という人生の無念を刻み込んだような「辞世の句」に感動を覚えた著者は、そのコレクター魂を発揮し、“辞世の句コレクション”を成した。本書は、その中から最も感動的なものを厳選し、あふれる思いとともに紹介した一冊である。一つ一つの句や歌のすべてから、人間としての潔さ、熱い思い、美しい心がありありと伝わってくる。何となく生きている日常にあって、人生に大切なものを思い出させてくれる貴重な言葉たち。著者が重視する、「言葉のチカラ」がそこには確かにある。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
navyblue
20
忠臣蔵では、浅野内匠頭が詠んだ辞世の句が全ての始まりであった、と何かで読んだことがあるが、死に向き合うとき、人はなにを思うのだろう。この本にはたくさんの辞世の句が集められており、どれも詠み人の人生を色濃く映し出し、心に訴えかけるものがある。31文字に込められた人々の想い、後生これを読むことで学べることがたくさんある。2018/06/13
ぷー
6
吉田松陰の、大和魂の辞世の句が心に残り、興味が出てきて読んだ本。沢山の人の、様々な生き様と死によって日本が作られてきたのだろうけれど、辞世の心情はいくつかの崇高な心情に集約されるのかも、と思った。人間の無力感、無常観、人生の短さ、人への想い、忠義、次世への希望、悔いなし、等々。知覧の特攻平和会館の記載もあるが、国のためにと散っていった若人の句は異色。心を揺さぶられ、心に何かを得られる場所。多くの人に知って訪れてほしい場所。今まで、形はどうあれ、懸命に日本を作ってきた人たちが沢山いることに気づく。2016/03/07
邑尾端子
5
父の書斎にあった本。在原業平から三島由紀夫まで、古今の歴史人物の辞世のうち特に筆者が感銘を受けたものを紹介する一冊。著名な辞世の句を集約し解説した専門書ではなく、あくまでこの筆者の好きな辞世とそれに対する感想を綴ったエッセイのような位置づけ。採用されている辞世は美しく心を打つ名作ばかりなので、読んでいると自分も辞世を読みたくなってくる。2017/01/18
やまちゃん0
3
死を覚悟した人間が発する言葉の力を感じることがてきる一冊。著者の解説があるからこそ理解できた。2017/05/23
√る~と
3
浅野内匠頭の詠んだ辞世の句が別のものだったら赤穂浪士の討ち入りは無かったのだろうな。現代人にも心が通じる辞世の句に読まれた魂の言葉。日本語の力って凄い。2017/03/09
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