新潮文庫<br> 裂けて海峡

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新潮文庫
裂けて海峡

  • 著者名:志水辰夫【著】
  • 価格 ¥814(本体¥740)
  • 新潮社(2016/07発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101345185

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内容説明

海峡で消息を絶ったのは、弟に船長を任せた船だった。乗組員は全て死亡したと聞く。遭難の原因は不明。遺族を弔問するため旅に出た長尾の視界に、男たちの影がちらつき始める。やがて彼は愛する女と共にある陰謀に飲み込まれてゆくのだった。歳月を費やしようやく向かいあえた男女を、圧し潰そうとする“国家”。運命の夜、閃光が海を裂き、人びとの横顔をくっきりと照らし出す。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐々陽太朗(K.Tsubota)

86
シミタツ節全開。ちょっとクサイけれど、良い。すごく良い。鳥肌がたつ思いの後、しばし放心。余韻に浸る。  このラストシーンの書きぶりですが、本書、2004年新潮文庫版と1986年講談社文庫版で少しちがう。  新潮社「天に星。地に憎悪。南溟。八月。わたしは死んだ。」  講談社「天に星。地に憎悪。南溟。八月。わたしの死。」  志水氏が何故書き換えたのかはわからない。なるほど新潮文庫版のほうがしっくりくる。しかし、わたしは講談社文庫版を推す。徹底した体言止めでテンポと余韻においてこちらの方に軍配があがる気がする。2019/04/19

GAKU

54
北方御大同様、たまに読みたくなるシミタツ。35年以上前に書かれた作品。良くも悪くもシミタツ!と言える作品でした。うーん!?今読むと古いねー。2019/08/12

k5

53
こちらは高校時代にどハマりしていたハードボイルド作品。オトナの恋愛とカッコいい老人と、みたいなイメージに憧れていたのですが、主人公と同世代になってみると、十歳も歳下の女性が十年以上も前から密かに自分のことを想い続けていた、みたいな妄想は絶妙にキモいかも。。。一方、六十超えた花岡老人のカッコ良さは健在。しかし、それも同じ年齢になってみたらこの戦闘頑固オヤジみたいなつくりもキモく感じるのかしら、とうっすら思ってしまいました。悪口書いちゃったけど、主人公が陰謀の実態を掴んでからのサスペンス感は流石です。2023/09/18

keiトモニ

47
えっ荒唐無稽なコミカル小説なの?“最初の2つは儂が撃ったんだ、足を撃ち抜いてやった…あいつら魂げたとみえ乱射してきた”☚いくら田舎の中浦でも銃で相手の足を撃ち抜き相手も銃を乱射…そんなの警察が静観するのか?住民も銃声は聞くよ。緊張感ある逃亡劇に力が抜ける様な笑いを伴う“イエスサア、助かりたいであります”だって!これを解説井家上隆幸は“この30年、99年の周辺事態法等とんでもない今日になっていた”と喚くが、とんでもないアホ。必要不可欠法なのだ。こんなのをゴールデン街コーリングで、モッ君がお勧めとは…とほほ。2019/04/16

ken_sakura

15
息をつかせない展開がとても良かった。ハ〜ドボイルド♪( ´▽`)主人公を走り回り役に、ヒロインと第二の主人公と言える花岡老人の言動が楽しい。他の脇役にも出し惜しみがないのは、「飢えて狼」と同様に嬉しい贅沢o(^_^)oラストの感じから、楡周平の「無限連鎖」を思い出しました。薦めてくれたおもしろ本棚の先生に感謝。2015/11/21

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