小学館文庫<br> 胡蝶殺し

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小学館文庫
胡蝶殺し

  • 著者名:近藤史恵【著】
  • 価格 ¥671(本体¥610)
  • 小学館(2016/07発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784094063158

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内容説明

歌舞伎子役と親同士を巡る、心理サスペンス。

市川萩太郎は、蘇芳屋を率いる歌舞伎役者。花田屋の中村竜胆の急逝に伴い、その息子、秋司の後見人になる。同学年の自分の息子・俊介よりも秋司に才能を感じた萩太郎は、ふたりの初共演「重の井子別れ」で、三吉役を秋司に、台詞の少ない調姫(しらべひめ)役を俊介にやらせることにする。しかし、初日前日に秋司のおたふく風邪が発覚。急遽、三吉を俊介にやらせることに。そこから、秋司とその母親・由香利と、萩太郎の関係がこじれていく。そしてさらなる悲劇が……。サクリファイスシリーズから、ビストロ・パ・マルシリーズまで、幅広いジャンルで傑作ミステリーを発表しつづける著者が、長年あたためてきた作品がいよいよ文庫に。歌舞伎に詳しくなくても存分にスリルと感動を味わえる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

三代目 びあだいまおう

303
近藤先生の描く歌舞伎、梨園のストーリー。なるほど男しか舞台に上がることを許されない歌舞伎の世界、嫁いだ女性は、跡継ぎの男子を産むこと、そしてその才能の有無にさえ重圧を背負う。天才子役の秋司は幼くして花形女形の父を亡くす。後継者に指名された萩太郎も女形にして、秋司と同い年の息子俊介を持つ。家柄の、才能の違い、親の、周りの期待と重圧!ふとした不幸で才能は閉ざされ別の道を歩む二人。夢の『鏡獅子』へと連なる展開は好みです!人生の回り道を肯定され、清々しい余韻が残ります!あぁ、鏡獅子をまた見に行きたくなった‼️🙇2019/07/09

yanae

102
近藤さんが手がける歌舞伎を舞台にしたミステリー。タイトルがおどろおどろしく、あらすじ紹介も悲劇の連鎖というイメージが強くてなかなか手が出せなかった作品。でも、読んでみたら違った。歌舞伎が大好きな近藤さんが歌舞伎が嫌になるような話を作るはずがないか。歌舞伎俳優の父親を亡くした天才子役の秋司を後見人として引き受けることになった萩太郎。激しい気性の秋司の母と問題を起こさず舞台をやりとげられるのか、ハラハラしながら読み終えました。個人的に望む結末だったのでほっとしてます。歌舞伎もかける近藤さんは多才!2018/05/10

Satomi

78
「胡蝶殺し」タイトルのイメージとは異なる血も流れない人も死なない歌舞伎界のお話し。子役が子役として活躍出来る期間は短い。どの舞台のどの役で初舞台を踏ませるか様々な思惑が交錯する。親として、師匠として難しい選択を迫られる。子供は大人が思うよりずっと色々な事が分かっている。分かっているから期待に応えようとするし、負担をかけないようにもする。2人の子役が賢く凛々しい青年に成長する姿がなんともキュンとさせる。2人で胡蝶を舞う舞台をぜひ観てみたいものです。面白い~♪オススメです!!2016/08/13

アッシュ姉

74
思わせぶりな内容紹介といつもながらの不穏な気配に、子役が殺されてしまう話かと勘違いしたが、心配していた惨劇は起きない。ミステリに重点を置いているわけでもないし、変に構えて読まない方が断然楽しめたように思う。そこだけ残念だったが、お初の歌舞伎もの面白かった。知らない世界に自然と興味を持たせて惹きつけるのが本当に巧い。ひやっとする近藤作品が好きだけど、ほろっとする話も良かった。第二次史恵ブーム到来中。2018/07/25

はつばあば

70
歌舞伎役者の子は歌舞伎役者に。小さい頃から舞台の上。好きも嫌いも無い。その為に梨園の妻は男の子を生まねばならない。派手な世界である以上に見えない苦労が大変。梨園に産まれた子供達の背負う使命の重さと、後ろ盾(父を亡くす)を無くしたあとの役者としての生き方。哀しみを笑顔に代えて役者を続けておられるが、市川団 十郎さん、中村勘九郎さんと皆さん短命。歌舞伎の世界も私達と変わらない親子の世界があるのです。マスコミ情報などに振り回されないで歌舞伎を堪能して欲しい2016/07/09

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